■軍服姿や“応援したくなる時代設定”も大きい
軍服が似合う若手イケメン俳優――たとえば、SixTONESの松村北斗(29)が俳優としてブレイクした背景には、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(21年度後期)で“雉真稔”を演じた際に海軍の白の軍服姿を着ていたこともあった。そのため、
《軍服が似合う俳優ランキング、カムカムの松村北斗が第1位だったんだけどめおと日和の本田響矢もよすぎる》
《めおと日和の本田響矢を見る度にカムカムの北斗を思い出し、軍服良すぎる、、、となっています》
と、『めおと日和』での本田にこうした声が寄せられている。
「また、『めおと日和』はラブコメとして気軽に楽しめる作品ではあるのですが、舞台が日中戦争前年の昭和11年ということもあり、不穏な空気は常に漂っています。瀧昌が任務で長期間家を空けることはしょっちゅうですし、第3話では待たされる辛さに芳根さん演じるなつ美が涙を流すシーンもありました。
それだけに、“この夫婦には幸せでいて欲しい”と応援したくなる視聴者が回を追うごとに増えているのではないでしょうか」(前出のテレビ誌編集者)
『めおと日和』には、
《きゅんきゅんが止まらない… どうか、戦争とか死とか無く、幸せな日常が描かれることを祈ってる》
《原作まだ続いてるし、ドラマも原作もどう終わるのか分からないけど、とにかく瀧昌となつ美にはどうにか戦争を生き抜いて、苦労もあるだろうけど幸せに戦後と平成を生きてほしい》
《めちゃくちゃキュンキュンしながら観てるけどこの先に戦争があるって現代人には分かってるから切ない。お願いやから長く幸せな時間が続きますようにって思っちゃう》
と、今後描かれるかもしれない戦争に恐怖しつつも、夫婦の幸せを願う声が多く寄せられている。
王道のラブコメ、軍服が似合いすぎている本田、そして戦前という世界観――それらの点で人気を博していると考えられる『めおと日和』だが、数多くの恋愛ドラマを追ってきたドラマウォッチャー・ヤマカワ氏は、同作の魅力をこう分析する。
「令和のコンプラでは考えられない昭和初期の男女関係が、若い世代には新鮮に感じられるのかもしれません。自己主張をはっきりできない代わりに、なつ美と瀧昌は胸中で恋心を熱くしたり、妄想の中でイチャイチャする。その不自由な環境が、今の男女関係では生まれづらくなっている、“ムズキュン”を大量発生させているんです。
また、なつ美の着物姿はもちろん、女給や女学生など、コスプレ要素が強いのも本作の魅力です。そんななつ美の姿に、瀧昌は思わず”かわいい”と心の声を漏らしていますが、視聴者はその反応も微笑ましく感じているのでしょうね」
戦争が刻一刻と迫ってくるような不穏な空気もあるが、『めおと日和』の幸せな夫婦生活をこれからも見たいものだ。
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。