■原作者の要望でキャスティングされた役だった
そんな“名フォロワー”大泉が映画『かくかくしかじか』に日高先生役で出演したのは、原作者である東村氏のリクエストからだった。
東村氏は、恩師である日高先生をコワモテの俳優が演じたら“本当の暴力教師”に見えてしまうかもと感じたことから、大泉の起用を打診したと明らかにしている。その上で、「決して本気で怖かったわけではなくて。微妙な塩梅を大泉さんは見事に演じてくださいました」(映画パンフレットより)と、絶賛している。
また、現実の日高先生はルックスも大泉に似ていたそうで、現場では日高先生の教え子が「本当に日高先生がいるみたい」と泣いていた、とも。
「まさに東村さんの言う通り、大泉さんは“微妙な塩梅”で日高先生を完璧に演じていました。
日高先生はいつも竹刀を振り回して常に“描け!”と叫ぶなど、とにかく怖い先生ですし、生徒にかなり失礼なあだ名をつけるなど無神経なところもある。普通だったらなかなか好きになれる要素はないのですが、単に厳しいだけでなく、不器用な優しさがあったり、絵画に生涯を懸けるブレない姿勢もあり、実際に映画を観た人は、どんどん日高先生が好きになっていくんです。それだけに、日高先生の心境を考えると、映画後半は泣ける場面も多くて……。
そんな、東村さんたち多くの生徒に愛された日高先生を見事に演じ切った大泉さんの素晴らしい演技があったからこそ、映画は良いものに仕上がったと感じられました」(前出の芸能プロ関係者)
映画『かくかくしかじか』を観た人からは、
《大泉洋の先生良すぎ。父と、厳しかった塾の先生思い出して思うことあり。先生が脚本ってのと大泉洋の方言にもだいぶ重きを置いてくれてたのがよかった。父と塾の先生が思い浮かんだそれは》
《大泉洋さんの演技に泣いた。館内にはすすり泣きが聞こえてた》
《大泉洋 演技バケモンやった》
《大泉洋演じる日高先生の存在感が半端なく強烈に気持ちをかっさらわれた。観た人は間違いなく先生に気持ちを持っていかれるだろう》
といった、大泉への絶賛の声が多く寄せられている。
また、《竹刀を持って「とにかく見ろ」と言ってまわりたくなった》といった感想も寄せられていて、鑑賞を勧める声は広まりつつある。
「大泉さんの宣伝活動での貢献、そして演技の評判が映画の興行収入にプラスに働いていることは間違いないでしょう。
主演女優の永野さんに不倫疑惑が報じられたことはどう考えても痛恨ですが、映画『かくかくしかじか』において不幸中の幸いだったのは、大泉さんが出演していたことではないでしょうか」(前同)
4月15日に行なわれた『かくかくしかじか』高校プレミアイベントでは、永野に「心強かったです(略)面白いし、楽しいし、美味しいご飯に連れて行ってくれるし……最高でした」と讃えられていた大泉。千両役者ぶりを発揮した、ということだろう。