大阪・関西万博の会場で、虫が大量発生していることが話題になり、物議を呼んでいる。
5月17日、あるXユーザーが、大屋根リングの柱などにびっしりと虫がついている写真を投稿すると、20日までに2700万回以上も閲覧され、大きな話題に。さらには21日、会場内のコンビニエンスストアにも大量発生している動画が投稿され、22日時点で930万回のインプレッションと波紋を広げている。その他飲食店でも発見されており、騒動はおさまらない。
この虫の正体は「ユスリカ」という水辺に生息するハエの仲間だ。幼虫は溝や泥の溜まった水溜り、河川などの水中で生息し、春・夏ごろになるとユスリカが大発生することがある。蚊のような見た目だが、吸血することはなく、琵琶湖周辺で大量発生することが多く、「びわこ虫」との通称もある。
観察されたのは海辺に位置する「ウォータープラザ」周辺で、X上ではベンチや自販機、さらにはコンビニやトイレの壁や床などにも無数にくっついていることが複数報告されている。万博協会の広報報道課は当サイトの取材に対し、「ユスリカ」を確認している場所について、
「リング南側の東西エリアや、ウォータープラザマーケットプレイス付近の水辺エリアを中心として発生し、その後、大屋根リングの上(スカイウォーク)全体、静けさの森、大屋根リング内側の海外パビリオン周辺など、広い範囲で飛んでいる」(広報報道課担当者)
と回答した。
もはや万博会場内の広いエリアに拡散しているユスリカ。その密集っぷりは、人が触れる可能性がある場所はもちろん、見た目にも気持ちのいいものではない。協会に、今後の対策を聞いた。
「まず、そもそもの発生源対策としては、主に降雨後を中心に、会場内の雨水枡や植栽帯(リング上の植栽含む)の中などに、発泡剤(成長阻害剤)を継続的に投入しています。さらに、各施設や店舗への侵入防止として、入口への大型ベープや殺虫ライトの設置、殺虫剤の散布、通気ダクトへのメッシュ設置などを、各施設管理者や出展者とともに実施しています」(前同)
担当者によれば、現在行っている対策に加えてさらなる対策を模索するとのこと。害虫駆除を手がける想和ホールディングスの早川佳宏代表は、「殺虫剤はあまり効果的ではない」という。