■巧妙な“QR詐欺”対策は?
こうした詐欺を防ぐには、QRコードの送り主が信頼できる相手かどうかを確かめることが第一です。SNSやメールで受け取ったQRコードには特に注意が必要で、正規のサイトやアプリから直接アクセスする習慣が安全につながります。
最近では「クイッシング詐欺」という新たな詐欺の被害報告も多く寄せられています。これは、QRコード付きのメールで偽のログインページに誘導するもので、ETC利用照会サービスなどを装った例もあります。メールに付属するQRコードを読み取ると、正規そっくりの画面が表示され、アドレスや電話番号を入力させる手口です。
また、詐欺の舞台はオンラインに限りません。実店舗でも、レジのQRコードに偽物が重ね貼りされるケースがあります。さらに、自販機や電動キックボード、コインパーキングなど無人決済の場面も狙われやすい傾向にあります。
「QRコードは便利さと引き換えに、利用者側の“見極める力”も問われる時代になっています。特に高齢者やスマートフォンに不慣れな方ほど、無意識に読み取ってしまうリスクがあるため、家族や周囲のサポートも大切です」(生活情報サイト編集者)
私たちが自分の身を守るには、まずQRコードが信頼できる情報源かどうかを見極めることが重要。「至急」「重要」といった言葉で不安をあおるケースや、不自然な日本語、URLのスペルミスなどにも注意を払う必要があります。
特に返金や還付など、お金が戻ることに関わる場合は、過剰なくらい慎重になることが肝要。QRコード決済は今後ますます進化していくと考えられますが、その利便性に潜むリスクにも十分に注意し、正しい知識と冷静な判断を持って、私たち自身の生活を守っていくことが重要です。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。