フジ・メディア・ホールディングスとフジテレビが設置した第三者委員会が5月22日、中居正広氏(52)の代理人弁護士への回答文書を公表した。

 そこに書かれていたのは、第三者委員会が中居氏に行なっていた具体的なヒアリング内容と、中居サイドの弁護人が女性に要求していたことだった──。

 今年3月31日、同委員会の調査報告書により中居氏による元フジテレビアナウンサーのAさんへの「性暴力」が認定されたが、中居氏の新たな代理人弁護士は5月12日、第三者委員会の報告書に対する反論を出し、「『性暴力』という日本語から想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」と主張していた。

 中居氏側は加えて、報告書にあった中居氏が“守秘義務の解除に応じなかった”という内容に対し、実際は中居氏が守秘義務解除に応じるつもりであったことや、中居氏は約6時間にわたって第三者委員会からの調査に応じたものの、報告書にはその内容がほとんど反映されていないことを指摘。その上で中居氏の弁護団は5月26日を期限として、第三者委員会に「性暴力」を認定した経緯や証拠などの開示を要請していた。

 それに対して22日、冒頭のように第三者委員会は文書を公表した。まず“証拠の開示”に対しては、《差し控えます》と回答。理由として、フジに対して守秘義務を負っていることや、調査の過程で収集した資料などは原則、《第三者委員会が処分権を専有》するため、などとした。

 その上で、「性暴力」と認定したことについて、第三者委員会は《(守秘義務により、ヒアリングをできなくても)前後の客観的状況について調査をして事実認定をすることができれば、本事案について当委員会が評価をすることは可能である旨を伝えたものであり、中居氏代理人もこの趣旨をご理解されていたと思われます》と、中居氏側もその評価方法を了承していたはずだと指摘。

 さらに、争点の一つとなっている“守秘義務解除”について、第三者委員会は中居氏サイドとのやり取りを明かしている。ワイドショースタッフはこう話す。

「今回の回答書には、中居氏側と女性側は、双方で合意した守秘義務を解除するかどうかについて直接交渉を行なったとあります。当初、中居氏の代理人弁護士を務めていたのは『ワイドナショー』(フジテレビ系)にもレギュラー出演していた犬塚浩弁護士ですよね。文書にはその弁護士から連絡があったと書かれていました」

 文書によれば、中居氏の弁護士が第三者委員会に以下の連絡を送っていたという。

《(女性Aの) 弁護士からは「貴委員会の調査に対して守秘義務を全面的に解除してほしい」との提案がありましたが、これについてはお断りいたしました》
《当方としてはこれまでの先方の守秘義務の履行については懸念するところがあり、貴委員会からのヒアリングとはいえども、守秘義務の全面解除することによって、新たな情報の流布が生じる可能性が充分にあると思います》

「これを受けて、第三者委員会が、女性側からは守秘義務の全面解除に応じる旨の回答を得ていたことから、あらためて中居氏の弁護士に解除できないか交渉したものの、中居氏の弁護士は“当方は、これまでの相手方の『守秘義務の遵守』に関して極めて強い懸念を持っております”と繰り返したそうです」(前同)

 Aさんサイドが守秘義務を守るのかどうかについて、疑問を抱いていたことがうかがえる中居氏サイド。さらに、第三者委員会を通じて、女性側にある“提案”をしていたという。

「中居氏の弁護士は、“守秘義務の全面的な解除まではする必要はないのでは”と、あくまで現時点での守秘義務を前提としたうえで、さらに“『貴調査委員会で話した内容を外部には一切話してはならない』ということを双方で約束するというのはいかがでしょうか”という提案があったとのこと。

 それに対して、第三者委員会は、女性に新たな守秘義務を課すことは合理的な提案とは思われず、女性側への提案も適切でないと判断したことから、提案には応じられないと回答しています」(同)

 つまり、中居氏側は、第三者委員会の調査には守秘義務を解除して話してもいいが、それを外部には出したくないということだったのか。