今田美桜(28)が主演を務めるNHK連続テレビ小説あんぱん』。同作の相手役は北村匠海(27)だが、第8週(5月19日~30日)から登場した中島歩(36)演じる若松次郎に、視聴者はメロメロとなっている――。

【以下、『あんぱん』のネタバレを含みます】

『あんぱん』は、国民的キャラクター『アンパンマン』を生んだ漫画家・やなせたかしさんと妻の小松暢(こまつ・のぶ)さん夫妻をモチーフにした作品。今田が暢さんをモデルにしたヒロインで尋常小学校の教師をしている朝田のぶを、北村がやなせさんをモデルにした柳井嵩を演じている。中島は同作に、一等機関士でカメラが趣味の男性・若松次郎役で第8週から出演中。

「次郎のモデルは、暢さんの最初の夫で日本郵船勤務の小松総一郎さんです。現実では暢さんとやなせさんは幼なじみではなく、出会ったのは成人してから。総一郎さんとの結婚も、やなせさんと出会うよりも前の話でした。

『あんぱん』でも紆余曲折を経て、最終的にのぶは嵩と再婚することになると考えられますが、中島さん演じる次郎のカッコよさに、視聴者は心を掴まれています」(女性誌編集者)

 第8週では、お見合いを経てのぶが次郎に惹かれ、婚約を受け入れるまでが描かれた。

 教師として働くのぶは当初結婚に乗り気ではなかったが、ある日、のぶの亡き父・結太郎(加瀬亮/50)と親交があった船の機関長の息子である次郎とのお見合い話が舞い込む。父の話が聞けるかもしれないという思いで、のぶは会うだけは会ってみようと初めてのお見合いを決意。お見合いでは結太郎の形見であるソフト帽の話などで盛り上がり、のぶと次郎は仲良くなる。

 後日、次郎は朝田家を訪れ、ふとしたときにのぶの笑い声が浮かぶと述べ、「生涯の伴侶になっていただけませんか?」とプロポーズ。のぶは「お気持ちはありがたいですけど、今はやはり決心がつきません」と返事を保留した。

 そして、次郎は23日放送回でのぶと約束を取り付け、あらためて2人きりに。のぶは教師を続けたいからと結婚を断るつもりだったが、次郎は結婚後も教師は続けて欲しいと言う。そして、「人を好きになるのに、理由がいりますか。強いて言えば、僕はのぶさんの正直なところに惹かれました」と、実直に伝えた。

 次郎の言葉に、のぶは「正直な気持ちはまだ何も話していない」と切り出して、戦時下のなか多くの悩みを抱えていることを打ち明けたが、次郎はのぶを優しく説き、戦後を見越して夢を持つことを勧めた。「思いつかない」と話すのぶに、次郎は「ゆっくり考えればえいです。のぶさんは足が速いき、すぐ追いつきます」と伝えたが、奇しくもそれは、のぶが幼い頃、父・結太郎に言われた言葉だった。そして次郎は「そこに少しでも僕との暮らしが入る隙間があったら、結婚してください。隙間がなかったらその時は諦めます」と続けた。

 のぶは一度は次郎と別れるが、彼女は踵(きびす)を返して走り、橋の上にいる次郎に追いつき、「私でよかったら……不束者ですけんど、よろしゅうお願いいたします!」と言い、次郎に頭を下げる――という物語が描かれた。