■山田涼介もワンパターン化

 序盤こそ、コミカルとシリアスのバランスが取れたテンポの良い展開と、川栄の振り切った演技が好評だったが、第3話(5月4日放送)以降はTVerのお気に入り登録数の伸びが大失速。美和が芸能事務所内のトラブルを力技で解決するパターンが続き、マンネリ感が出てきたことが視聴者離れを呼んだと思われる。

 マンネリといえば、山田涼介にも感じてしまう。ルックスに自信満々で、クセの強いいじられイケメンキャラはハマっているが、23年4月期『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)、24年7月期『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)と似たキャラが続いたこともあって、新鮮味に欠けている。ファンにはたまらないのだろうが、“いつもの感”があるのは否めない。

 そこはゲスト俳優が登場して、マンネリ化した展開に変化を持たせるはずだったのだろうが、第2話で吃音の新人俳優を演じた富田望生(25)以降、正直、存在感や華やかさが欠けていたと言わざるをえない。第5話で木村(千葉雄大/36)の相方・溝口を演じた大東駿介(39)をはじめ、熱演はしていたのだが……。

 現在の残念な数字は、これらの小さい物足りなさの積み重ねの結果と言えるかもしれない。ドラマ全体で見れば、脚本、キャストともに頑張っているし、笑って感動できる良作なのだが、毎回見続けるとなると、視聴者を引き付ける魅力が弱かったようだ。

 次回は、美和と真田が水族館を貸し切って極秘デートするなど、恋愛要素が強くなる展開のようだ。マネージャーとトップスターの恋を描きながら、美和たちがどんな人生のリベンジを見せてくれるのか、終盤に入ってからの川栄と山田の好演に期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。