■「ゴチ」では激太り&役作りのために“断食”も

 6月17日の第57話の終盤でドラマは昭和20年に入った。日本の敗戦は確定的となり、嵩と健太郎がいる中国・福建省の奥地にある駐屯地も攻撃を受けて孤立。補給路も絶たれ、食料を節約する日々を送り、空腹との戦いが始まる――という展開だ。

「過酷な戦地で過ごす兵隊を演じるため、北村さんも高橋さんも体重を落としたのではないでしょうか。特に高橋さんの痩せ方は驚くべきものがあります。学生時代、嵩(北村)と楽しく過ごしていた“健ちゃん”は食に強い関心があるキャラクターで、頬もふっくら、少し丸い感じもある人物でした。それが、戦地では、頬はげっそりとこけていてあご周りもかなりほっそりしていますからね。

 嵩の東京高等芸術学校時代の同級生である“健ちゃん”は物語初めからずっと出ているキャラではありませんので、撮影期間はそう長くはないと考えられます。おそらく高橋さんは、1か月や数週間単位で一気に絞ったのではないでしょうか。

 そんな彼はまだ若手ながら、変幻自在の“カメレオン俳優”としてその役作りも高く評価されています。過去にも激変ぶりが話題になりましたね」(前出の女性誌編集者)

 2024年10月放送のバラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン 3時間SP』(日本テレビ系)で「グルメチキンレース・ゴチになります!」に出演した高橋の姿に、

《高橋文哉の顔見る度、あれ?こんな顔だったっけ?ってなる。どの顔もイケメンだけど》
《ゴチ見てて高橋文哉くん顔が変わった?と思ったけど、そう思ってる人結構いるんだな。美味しいもの食べ過ぎて太った?》
《高橋文哉、顔変わった?唐沢寿明みが出てきた》

 などの指摘がXには寄せられた。

「高橋さんは24年7月期のドラマ『伝説の頭 翔』(テレビ朝日系)で主演を務めましたが、そのときと比べると『ゴチ』ではあご周りのシャープさがなくなり、顔が全体的にかなりふっくらとした印象でした。

 いま思えば、当時の高橋さんも次の作品のために体重を増やしていたのではないでしょうか。過去には役作りのために断食したとも明かしていましたしね」(前同)

 映画『ブルーピリオド』(2024年)公開時のインタビューで高橋は、同作の「男性だが、心は乙女」な鮎川龍二の役作りについて《僕は1か月でやれることは全部やったと思います。外見の役作りをしながら内面がついてきたらと思い、そこはあえてほぼ何もしてないです。ネイルにもエステにも行きましたし、ヨガに行き、おしりと胸だけ鍛えました》と語った。

 さらに《家にいるときはヒールで生活して生活環境もすべて変えました。自由な自分の時間はまったくなかったですね。断食もして、しっかり痩せてユカちゃん(※鮎川龍二の呼び名)に挑みました》と明かしていた。

 まだ24歳の若手俳優ながら、高い演技力とそれを支えるプロフェッショナルな役作り――役によって自身のビジュアルを七変化させる高橋には、出演オファーが絶えないようだ。

 若手演技派俳優の真骨頂が発揮されている『あんぱん』の戦争編。“健ちゃん”の頬こけが示す通り、ここからの数回は、登場人物たちが戦地での飢えに苦しむ過酷な回になりそうだ――。