■有名大企業でも黒字でも「将来に向けた再編」でリストラ!
ネット上では「昔は赤字になったからリストラ。今は赤字にならないように先手でリストラ」「リストラはお金がかかるから、キャッシュに余裕のある今しかできない」「“人手不足”って言ってたのに、この状況を見ているとわからなくなる」といった戸惑いや不安の声が広がっています。
終身雇用という神話はすでに崩壊し、若い世代も企業の構造改革の波を避けられない現実に直面しているのです。
実際、オムロンや資生堂といった企業も、黒字でありながらリストラを進めています。オムロンは2024年2月に国内外で約2000人の削減を発表し、資生堂も24年3月に国内販売会社で1500人の希望退職を募りました。両企業とも、経営不振ではなく「将来に向けた再編成」という名目での決断です。
令和のリストラは、単なる人員整理にとどまらず、企業文化や人材観の変化を象徴する動きでもあります。かつては「長く勤める=信頼」でしたが、これからは「変化に適応できる=信頼」へと、評価の軸そのものが移り変わっているのです。
そして、この現実はすべての労働者に問いを投げかけています。今の会社でこのまま働き続けることが「安定」なのか、自分のスキルや価値を見直すことが「備え」になるのか――。
企業が生き残りをかけて変わるように、私たち一人一人にも変化への備えが求められているのかもしれません。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。