■いよいよ今田美桜が本領発揮
必要だったとはいえ、戦争編は鬱々とした展開が続いた。しかし、第13週の63話(25日)では、子どもたちに対する罪悪感から、生きる気力を失っていたのぶが、嵩の言葉でまた立ち上がり、65話(27日)で高知新報に採用され、「たまるかー」5連発とともに、まぶしい笑顔を取り戻した。今後は、のぶが記者として奮闘する姿が描かれそうだ。
史実では、やなせたかし氏はその頃、友人と一緒の会社で働いている。公式サイトの第14週のあらすじにも、「のぶは夕刊の編集局員となり…。一方、嵩は健太郎(高橋文哉/24)と共に、廃品回収した雑貨を売っていた」とあり、のぶと嵩の戦後が交互に描かれるのだろうが、どちらかといえば、のぶメインで展開していくだろう。
そうなると、今田への期待が高まってくる。戦争編では、のぶが“愛国の鑑”と呼ばれ、戦争に加担するという損な役回りになっていた。さらには、妹・蘭子役の演技力おばけ、河合優実(24)の熱演もあって、ヒロインなのに今田の存在が霞んでしまうことも。しかし、戦後編はガラリと役回りが変わってきそうだ。
感情表現豊かに飛び回り、跳ね回る演技なら、元気な役柄を演じてきた今田には定評がある。オーディションの最終選考で、走るテストがあったことからわかるように、のぶには走ることが期待されているはずだ。これまでくすみがちだったのぶが、再び“ハチキンおのぶ”として、一気に輝きを増すことだろう。
今後、のぶは戦後初の女性記者として活躍。嵩はアメリカの雑誌に刺激を受け、漫画を描くことへの想いを高まらせていくようだ。新たな登場人物として、『アンパンマン』の声優・戸田恵子(67)が、のぶの人生に大きな影響を与えていくことになる役で出演することも発表されており、物語は大きく動きそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。