■福田作品で出世した俳優は多い
ちなみに、実写化映画では、吉田修一氏の小説(朝日新聞出版)が原作で、吉沢亮(31)主演、李相日監督による『国宝』(6月6日公開)が現在話題だが、同作は公開24日間で興行収入32億円を突破。今年公開された邦画実写1位の興行収入となっているが、こちらは『映画.com』では4.3点、『Yahoo!』では4.7点となっている。
「近年、厳しい声も目立つ福田監督ですが、実績は十分ですし、彼の作品がきっかけで新境地を開いた俳優も少なくない。目黒さんは出世作『silent』(フジテレビ系/22年10月期)での“儚さのある正統派イケメン”のイメージが前面に出ている感じもありますが、福田監督作品で新たな顔を見せてくれるかも、という期待もありますね」(前出の女性誌編集者)
たとえば、鈴木亮平(42)は、福田監督の映画『HK/変態仮面』(2013年)での肉体美と振り切った“変態ぶり”が大きな話題に。オファーを受けた当時はマネジャーに「(役が役なので)しばらくNHKさんとコマーシャルは諦めましょう」と言われたというが、実際はNHKの朝ドラデビュー作『花子とアン』(14年度前期)のオーディションでスタッフに「映画見ましたよ」と声をかけられるなど、結果的にプラスに働いた。
今や大人気俳優の橋本環奈(26)も、最初はアイドル出身の女優という感じだった。しかし、福田監督の映画『銀魂』(2017年)でヒロイン・神楽に起用され、白目をむいて鼻をほじるなどの強烈な演技を見せて、“そこまでやれるの!?”と話題に。現在のコメディエンヌ&実写版御用達女優としての路線を開拓した。
また、主演作『国宝』が絶賛されている吉沢も、やはり『銀魂』で見せたドSキャラ・沖田総悟の完成度の高いビジュアルがきっかけでブレイクしたことで知られる。
そんな『変態仮面』と『銀魂』はどちらも、原作ファンから《全員ハマリ役だった》《再現度が高い》など、好意的な声が多数寄せられている。
「橋本さんと吉沢さんは“福田組”の一員として、福田監督の作品の常連にもなりましたよね。
一方、ファンからは不安視する声も多く上がっている目黒さんの福田作品への出演ですが、撮影現場の雰囲気は良いとも報じられています。どういう作品か、目黒さんがどんな役を演じるのか、どんな演出になるかは分かりませんが、これまでの目黒さんのイメージにはない役を演じる可能性もあり、評価がどうなろうとも、キャリア的には無駄にはならないのではないでしょうか」(前同)
『silent』でブレイクする前には事務所が“バラエティ路線”で売り出そうとしていたり、映画『おそ松さん』(2022年)で突き抜けたコメディ演技を見せたこともある目黒。目黒が出ると話題になっている福田監督作品には今後、大きな注目が集まるだろう。