■フジテレビの月9はターゲット層が変わりつつあるか
大御所女優・沢口のテレビ朝日からフジテレビへの“移籍”がささやかれているなかで、そうした背景ではフジテレビ「月9」の方針転向もあるようだ。
「かつてフジテレビの『月9』では、若い男女を主人公にした“トレンディドラマ”が一世を風靡するなど、若者向けを意識した作品が多かったですよね。最近でも、森七菜さん(23)と間宮祥太朗さん(32)による『真夏のシンデレラ』(23年7月期)や、永野芽郁さん(25)と山田裕貴さん(34)による『君が心をくれたから』(24年1月期)など、主演が若くて、若い層をターゲットにした作品があります。
ただ、先の4月期に放送された『続・続・最後から二番目の恋』が代表例ですが、ここにきての『月9』は従来よりも上の世代をターゲットとして狙う動きもあるようです」(前出の制作会社関係者)
小泉今日子(59)と中井貴一(63)がダブル主演する『最後から二番目の恋』シリーズは、小泉演じるテレビプロデューサー・吉野千明と、中井演じる鎌倉市観光課長・長倉和平との恋を中心に描いた“大人の青春ドラマ”として大ヒット。
第1弾(12年1月期)と第2弾(14年4月期)は「木曜劇場」枠(夜10時~)で放送されたが、第3弾となる『続・続・最後から二番目の恋』は、今年4月期に「月9」枠で放送されたのだ。
「『続・続・最後から二番目の恋』は、テレビ各局が重視するコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)は高くはないのですが、世帯視聴率や個人視聴率、見逃し配信・TVerでは良い数字を残しました。全話平均世帯視聴率は、民放での春ドラマ3位の7.7%でしたね」(前同)
『続・続・最後から二番目の恋』最終回(6月23日)の視聴率は、世帯8.2%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)、個人4.8%、コア1.8%。TVerのお気に入り登録数は、春ドラマ1位の129.0万(最高値・6月20日)だった。
「ずっと若い層を狙って作られていた『月9』ですが、今、若い人たちはなかなかテレビを見てくれないですよね。そもそも、家にテレビがない人さえ珍しくない時代です。また、ドラマ好きの人はリアルタイムではなく、自分が集中して楽しめる時間に、配信サービスで見ることが多い。
そのため、『月9』もこういった時代の流れに無理に抗うのは止めて、現在もリアルタイムでドラマを楽しんでくれている、少し上の世代に向けたドラマ作りをする方向にシフトしつつあると聞こえてきています。実際、『続・続・最後から二番目の恋』は“老後”を意識する男女の物語という、およそ若者向けではない作品でしたが、コア視聴率以外の数字はかなり良かったですよね。
そんな変化を遂げつつ『月9』枠だけに、60歳になった沢口さんが主演を務めるドラマが放送されるというのも、十分にあり得るということですね」(同)
そこで本サイトはフジテレビに、沢口が10月期の「月9」で主演すること、同枠のターゲット層の変化について問い合わせたところ、「制作の詳細についてはお答えしておりません」ということだった。
沢口が最後に出演したフジテレビドラマは、2014年10月に放送された2時間ドラマ『検事・霞夕子 〜死人に口あり〜』。話通り「月9」に出演するとなれば、11年ぶりのフジドラマ出演となるが――。