6月27日より、小芝風花(28)と佐藤健(36)がダブル主演を務めるドラマ『私の夫と結婚して』の配信がAmazon Prime Videoでスタート。韓国で24年に放送された同名ドラマの“日本版”に当たる今作だが、その評判は上々のようだ。

 韓国の同名ウェブ小説を原作とした『私の夫と結婚して』は、不倫した夫と親友に殺された余命わずかの女性が10年前にタイムスリップし、復讐を遂げるというSFロマンティック・コメディ。韓国版では、主人公の女性を『キム秘書はいったい、なぜ?』(18年)などで知られる人気女優・パク・ミニョン(39)が、主人公に思いを寄せ、2度目の人生で復讐を手伝う御曹司をナ・イヌ(30)が演じ、本国でも好視聴率を獲得した。

 そんな人気ドラマの日本版企画に名を連ねるのが、オスカー受賞映画『パラサイト 半地下の家族』(19年)を制作した大手エンタメ会社・CJ ENMと、ドラマ『愛の不時着』(19年)をはじめ、良質なヒット作を連発している韓国の制作会社・スタジオドラゴン。グローバル市場でいま、最も勢いのある2社がタッグを組んだ今作は、日本用に新たにプロットから制作された“肝入り”の日韓共同プロジェクトとなっている。

「『私の夫と~』は7月4日昼現在で4エピソードが配信されていますが、Prime Videoのレビュー数は137件、5点満点中4.2点と高い数値を維持しています。

 また、レビューサイト『Filmarks』でも、5点満点中4.0点となかなかの高得点を得ており、《続きが気になる》《スカッとする》という声のほか、見る目が厳しくなりがちな原作&韓国版ファンからも《韓国リメイク反対派だけどこれはなかなか面白かった》《きちんと日本版にアレンジしたのが好感》と比較的ポジティブな反応が見られます。

 韓国ドラマのリメイクや日本版が制作される場合、内容はもちろん、予算やスケール感、配役イメージの違いなど、何かと比較されてマイナスな意見が寄せられることが多いのですが、今作は脚本にしっかりと日本の文化や背景が落とし込まれており、違和感のないつくりになっていることが功を奏していると思われます。

 それに加えて、今年のNHK大河ドラマべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で花魁役を妖艶に演じて役者としての株を上げた小芝さん、完璧なビジュアルとクールな佇まいを生かした‟ヒーロー”的な役どころに定評のある佐藤さんという盤石の布陣ですから、話題性は十分です」(女性誌ライター)

 このように、期待に違わぬ形で好調なスタートを切った日本版『私の夫と結婚して』。一方で、SNSの反応を深堀りすると、日本のエンタメ界における深刻な課題も浮かび上がってくる。

「魅力や強みが異なるフレッシュな人材が次々に出てくる韓国と比較すると、日本のエンタメ界は“好感度の高い同じ俳優で回す”という側面が強い傾向にあります。

 特に、役者同士のケミストリーや視聴者を胸キュンさせる演技力が求められるラブストーリーは人材不足が顕著で、佐藤さんに関しても、20年の『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)以降、『First Love 初恋』(22年、Netflix)、『100万回言えばよかった』(23年、TBS系)、今作、『グラスハート』(25年7月31日配信予定、Netflix)など、恋模様が絡む作品に出ずっぱり状態が続いています。

 今回の『私の夫と~』も佐藤さんにピッタリなクール系御曹司という役どころなので、早くも《また佐藤健に恋する日々だわ》《御曹司の佐藤健ヤバい また私の中で健ブーム来そう》と女性視聴者をメロメロにしていますが、裏を返せば、他に適任がいないということ。

 松坂桃李さん(36)や岡田将生さん(35)など、演技力とルックスを兼ね備えた30代中盤の俳優さんは他にもいますが、やはり自己を投影しながら楽しむ純粋なラブストーリーは、なるべく独身の俳優さんに演じてほしいと思う人が多いのではないでしょうか。

 吉沢亮さん(31)や横浜流星さん(28)のように若いうちから社会派な作品を好む俳優さんも増えてきたので、ラブストーリーを得意とする佐藤さんにオファーが集中してしまうのかもしれませんね」(前同)

 深刻さを増す日本の“ラブスト俳優”不足。エンタメ力の底上げのためにも、佐藤に続く新星の登場が待たれる。