フジテレビは7月6日、元タレントの中居正広氏(52)の女性トラブルに端を発した一連の問題を検証する番組『検証 フジテレビ問題~反省と再生・改革~』を放送し、大きな反響を呼んだ。
検証番組では冒頭、同局の清水賢治社長(64)が登場し、「ご覧いただいておりますみなさま、フジテレビの清水です。このたびの当社で発生した人権・コンプライアンスに関する問題により、ご迷惑とご心配をおかけしていますことを、あらためて深くお詫び申し上げます」と頭を下げてスタート。
中居氏と元アナウンサーのAさんのトラブルに対応した佐々木恭子アナウンサー(52)、港浩一元社長(73)、大多亮元専務(66)のインタビューを交えながらCMなしで1時間45分にわたって放送された。
2023年6月の女性トラブル発生時、Aさんの体調を考慮するという観点から連絡窓口は佐々木アナに一本化されていたことが明らかに。フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会による調査報告書では《(佐々木アナに)課せられた役割は管理職の職責を超えるものであり、会社の対応は不適切だった》と指摘されていた。
24年7月、Aさんがフジテレビに退社の意向を伝えた当時について佐々木アナは「私は女性が退職する日を見送った時の光景っていうのは忘れないですよね」とし、「1人の女性が尊厳を傷つけられて、復帰を目指していたけれども。ある種、時間が経てば経つほど“本当に絶望して辞めざるを得なかったんだ”っていうことを、非常に重く受け止めています。“このことがきっかけで1人の女性が好きな仕事を辞めなきゃいけないんだ”ってのはすごく思いました」と振り返った。
「佐々木アナにはかねてより同情の声がありましたが、今回の検証番組での証言により、あらためて同情の声が寄せられている印象ですね。
そしてフジテレビは、港氏と大多氏に対し、トラブルが起きた当時、適切に対処しなかったことへの法的責任を追及する方針を示していますが、その当事者である2人にインタビューを敢行したことが話題を呼んでいます」(広告代理店関係者)
番組では、第三者委員会による調査報告書の《取引先の関心を得るため、フジテレビで行われていた「性別、年齢、容姿に着目した会合」が人権侵害のリスクを助長していた可能性》に触れ、検証VTRでは若手女性社員らが港氏を取り囲んだ写真を公開。
《彼女たちはあるチームのメンバーに選ばれた社員でした》という説明があり、港氏を囲む会に参加したという女性社員は「港さんと一緒に仲良くお食事をする会だから、本当に安心して。ここの会はセーフな場所だから」と言われたという。「美しい、素敵な女性がいっぱい集まっていて、“これは見た目が重視される会なのだ”と思いました」と明かした。
港氏が入社式を訪れ、新入社員の中から先輩メンバーが候補をピックアップして最終的に港氏が指名するという流れがあったという。こういった会合について港氏は「“秘密裏に”とか、そういう恐ろしそうな意味はないです」と弁明していた。
一方で女性社員らは「“とりあえず接待のために呼ぶ、女性だから”というのは、女性蔑視ですし、女性社員はバカにされていたんじゃないかな」「本当に異様な会だった」と語っていた。
大多氏についても女性アナウンサーを接待要員に駆り出して同じような会合を行なっていたとも指摘。
参加したことがあるという女性社員は今回、大多氏が「女性アナウンサーは上質なキャバ嬢だ。ホステスで売れるアナウンサーがいいアナウンサーだ」と話していたと告白。
この発言の真意について、今回の検証番組で問われた大多氏は「言葉の選び方が悪いと思うんですね、私の」と言って、その後、「なんか、そこだけ取り上げて……」と反論しようという素振りも一瞬見せたが、「そんなふうに思って、本当に思ってないですし」と発言。記憶はないとしつつ、「ないけども、記憶されている方のほうが絶対記憶されてると思うので、それは否定はまったくしないです」と応じていた。
「港氏、大多氏の過去の言動からフジテレビの企業風土がどういったものだったのかが浮き彫りになりましたし、2人の女性社員への接し方や認識には厳しい声が上がっています。一方で自社の検証番組に2人を引っ張り出したことについては一定の評価もあります」(前同)