ソフトバンクホークスが6年ぶり9度目の優勝をして幕を閉じたセ・パ交流戦。ペナントレースも半分を消化した形だが、監督の采配で優勝戦線に名乗りを上げたチーム、自力優勝が危ういチームなど千差万別。上半期における指揮官たちの監督力を徹底査定!!
ここまで首位を走る藤川球児監督(44)の阪神は、交流戦終了時点で貯金も8。結果だけ見れば「新人にしては、よくやっている」との評価になりそうだが、在阪ベテラン記者が声を潜める。
「曲がりなりにも首位にいるから、我々も書かないだけですよ(笑)。仮にチームが順風満帆なら、株主総会で“リーダーの資質に欠ける”なんて意見は出てこない。多くを語らない秘密主義も結構ですけど、結局は周囲を信用していないことの裏返しですからね」
開幕直後から、その傾向は強かった。昇格させたばかりの若手、井上広大(23)を1試合で再度降格させた4月の不可解采配の裏では、こんな出来事もあった。
「1軍、2軍の首脳陣しか知らない昇格人事がスポニチに抜かれたんです。始まった犯人探しで、当の井上が漏らしたことが発覚した。それを、ことさら問題視して、直後の試合での3タコを“ふてくされてる”と判断した。器が小さすぎて引いちゃいましたよ」(前同)
そんな不協和音の表れか、交流戦では2カード連続の3タテを含む7連敗。
12球団トップのチーム防御率1点台を誇る自慢の投手陣をもってしても、落とす試合が増えてきた。
投手コーチの経験もある藪恵壹氏が「サヨナラ負けした11日の西武戦が象徴的」と、こう指摘する。
「2点リードの9回。岩崎優(34)に任せるべき局面で、湯浅京己(25)を出して1死満塁。そこで慌てて岩崎を出すなら、なぜ最初から彼にしないのか。11日も登板間隔が空いていて“不安”があったなら、調整登板を合間に挟んでリスク管理をするのも監督の役割。私がコーチだった12年当時も、彼は“しなくても大丈夫”と、どこか、そういう部分を軽んじているフシがあったんだよね」
だが一方で若手の起用を評価する声も上がっている。
「ドラ1の伊原陵人(24)などは、すでに5勝を挙げ、60イニング以上投げて防御率1点台と大活躍しています。“火の玉ストッパー”だけあって、投手の運用に関しては一家言あるようです」(専門誌記者)
賛否両論あるようだが、首位ゆえに及第点か。