■高橋海人は物語とともに成長するか
その一方で、《高橋海人さんは微妙。表情が暗くその割に奥深さも感じられない。ドラマの世界にリンクしていないというか、話し始めるとなぜか冷める》《高橋くんな、演技的には問題ないけど、、高校生役(テレ東の『95』とか)と変わらんところがちょっと気になるところ》など、高橋には厳しい意見が多い。
超視力、腕力、聴力など、主要人物が異能力を持っているという、かなり斬新な内容で、高橋は未来予知という能力を持つ青年なのだが、『だが、情熱はある』(日本テレビ系)や『95』(テレビ東京系)で演じたようないつもの思い悩むキャラ。中村や井浦が特殊な世界観にしっかり寄せてきた一方で、若干、高橋が浮いて見えたのは否めない。
前半のオドオドと自信なさげな目つきから、ラストの陣内(中村)を止めようと自らドーパーに発砲する覚悟を決めた目つきへと、才木が心境を変化させていく演技を見せた高橋。今回の見せ場だったが、脚本と演出から出された課題を“こなしきれていない感”があった。ただ、中村と井浦の演技が格段に良かったため、より顕著に見えてしまったというのも大きいだろう。
とはいえ、物語は始まったばかり。初回では才木の変化が描かれたが、才木の成長はストーリーの軸のひとつになるはず。それにリンクして、高橋も俳優として成長し、これまでの出演作では見せたことがない、新たな演技を見せてくれることに期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。