■「“見せしめ”だと思われるのも嫌」

 そもそも書類送検と実名報道の関連について、全国紙社会部記者が解説する。

「書類送検とは『捜査関係書類を検察官に送ること』を指し、起訴・不起訴の“前段階”。その後、検察官が起訴し、有罪判決が確定すれば『前科』がつきます。逆にいえば、不起訴となれば裁判にもならず、前科がつく(有罪となる)こともない。また、一般的に書類送検で実名が報じられることはほとんどありませんが、著名人や芸能人など社会的に影響が大きい場合は別扱いとして、報道側の判断で実名報道に踏み切られる場合があります」(全国紙社会部記者)

 7月8日の報道だが、タイタン所属の芸人について実名報道が早かったのは地上波の民放局。朝8時台に2人の氏名を伝えると、その後スポーツ紙が続いた。光代社長は「びっくりした」と、報道を知った時の驚きを振り返る。

「うちの会社のなかでもデリケートな話で、(当初の)4人の名前も一部の人間しか知らなかったこと。もちろん逮捕など有罪になれば実名報道がなされて当然ですし、社としても隠すつもりはありません。でも書類送検の段階ではまだ罪が確定していないのに、実名が出てしまうと、“あいつやってたの?”ってネガティブなイメージが独り歩きしますよね。警察には、氏名を公表しないでほしいという弁護士が作成した嘆願書を提出しました」

 嘆願書はあくまでも“お願い”であり、100%聞き入られるわけではないが、光代社長、一部スポーツ紙で《自首でも氏名公表に戸惑い》との見出しで事件が伝えられた結果、SNSでは、

《自首させたら書類送検で名前は公表しないとか取引したことがあり得ない》
《自首したら名前でないなんて法律あった?》

 など、まるでタイタンが“取引”をしたかのような投稿が目立っていたが――。