日々若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。そんな戸田氏が今、注目するのは子供の習い事の変化だった。

 かつてはピアノや水泳、そろばんが「定番」とされた子供の習い事。ところが今では、プログラミングやK-POPダンス、お金の勉強まで、実に多様化しています。

 背景にあるのは、子供自身の将来を見据えた希望と、それに応えたいという親の思い。実際、最近の調査では、小学生が選ぶ習い事ランキングの上位に「プログラミング」や「動画制作」が食い込むようになりました。こうした人気の根底には、「ゲームクリエイターになりたい」「YouTuberになりたい」といった“なりたい職業”の変化があるようです。

 以前にはなかった習い事として話題なのが、「レゴブロックでロボットを作ってiPadで動かす」スタイルのプログラミング教室。子どもたちは遊び感覚でトライ&エラーを繰り返しながら、自ら考え、問題を解決する力を身につけていく。理系科目の基礎力も養えるとあり、親からの評価も上々です。また、K-POPダンスは子供たちの間で圧倒的な人気。福岡市内のさるダンススクールでは、わずか3人から始まったK-POPクラスの生徒数が100人以上へ増加。TWICEやBTSなど世界的スターに憧れて始めた子どもたちは、韓国語を学んだり、オーディションに挑戦するなど、その熱量は本物。リズム感や体幹だけでなく、表現力や協調性も身につく貴重な場となっています。

 さらに、金融教育を目的とした習い事にも注目が集まっています。スマホやICカードで買い物を模擬体験しながら、計画的な使い方や貯蓄の考え方を学ぶ教室も登場。現金を見ずに育つ子どもたちにとって、「お釣り」の概念はすでに曖昧になりつつあります。親子で一緒に学ぶスタイルも好評で、「課金」の仕組みを知る機会になっているようです。