■子供の習い事に助成金を出す自治体も
こうした習い事の多様化に対しては、ネットでも肯定的な意見が目立ち、《プログラミング教室はゲーム感覚で集中力が続くのがいい》《K-POPダンスを通じて韓国に興味を持ち始めた。将来の視野が広がる》《子どもが“課金”の意味を理解するのはスマホ時代の必修科目》といった声が聞かれます。
とはいえ、習い事には費用の問題もつきもの。複数を掛け持ちする子も多く、月5万円以上かかる家庭も珍しくありません。中には費用を捻出するためパートに出る母親や、外食・レジャーを減らしてやりくりする家庭も。習い事の選択肢が広がる一方で、家計とのバランスは悩みどころではないでしょうか。こうした家庭の負担を軽減すべく、自治体も支援策を用意しています。福岡市の『習い事応援事業』や大阪市の『習い事・塾代助成事業』などが代表例。ほかにも給食費の無償化や現金支給といった支援を行う自治体もあります。
「今の習い事は“教える”というより“引き出す”スタイルが主流です。例えば、プログラミングでは正解を教えるのではなく、子どもがトライ&エラーを通じて考える力を伸ばします。ダンスやお金の授業も同じで、知識以上に“自分で選択できる力”を養うことができる。習い事の目的も、かつての『技能習得』から『未来につながる力』へと移り変わろうとしています」(生活情報サイト編集者)
習い事の多様化は、単なる流行ではなく、社会の変化と家庭の価値観の変容を映し出しているとも言えます。子供の可能性をどう広げていくか。習い事の今は、私たちの“子育ての現在地”そのものです。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。