歌舞伎俳優・市川團十郎白猿(47)が7月13日までに更新した自身のYouTubeチャンネルで、大ヒット中の映画『国宝』への感想を述べたことが大きな反響を呼んでいる。7月15日時点で83万回再生の動画では、2人の子どもたちに観に行かせたというほか、自身の幼少期の稽古事情についても明かしていて──。

『国宝』は、任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男・喜久雄(吉沢亮)が主人公。抗争で父を亡くした後、その才能を見抜いた歌舞伎当主・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られた喜久雄は、半二郎の跡取り息子・俊介(横浜流星)を生涯のライバルに、激動の人生を歩んでゆくというストーリーだ。

 原作者の吉田修一氏が3年間、自ら歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入った経験を元にして書き上げた意欲作。吉沢や横浜も歌舞伎の稽古に1年半を費やしたといい、6月6日に公開されると、7月13日時点で興行収入56億円を記録した。團十郎はYouTube動画で、「吉沢亮さんは本当に歌舞伎というものに向き合ったんだなと、すごく感じました」と主演の吉沢を評価するとともに、ライバル役の横浜の存在にも言及。

 團十郎は「御曹司、歌舞伎の家に生まれる子と、歌舞伎の家ではなく歌舞伎を目指している子の話のなかで、歌舞伎の家に生まれるということ、歌舞伎の家に生まれずにして歌舞伎を愛すということ、この2つをあらためて感じさせていただいた」といい、“血筋のある家に生まれた”という宿命をもつ長女・麗禾(市川ぼたん)と長男・勸玄(市川新之助)に観に行かせたことを明かした。

 動画では2人の感想を詳細には語らなかったが、團十郎は映画を見終わった後の2人の変化について、

「“血のある人間”と“血のない人間”がシーソーのように、上がったり下がったりして。そういうものを観た後に、少し目の色が変わった2人を見て、ありがたい映画だなと思いました」

 と語った。