■自身の幼少期は…「あんなに生ぬるくはなかった」

 また團十郎は、俳優の演技や所作については、「すごい努力をされたんだな」と評価。「気になることは多少あっても気にならないように見られる」といい、「素晴らしい」と称賛する一方で、子役が稽古をつけられるシーンでは、自身の幼少期と重ね、「あんなに生ぬるくはなかった」と述懐した。

「そういう時代だったので“パチーン!”とか当たり前でしたね。ボコッとかね。あんなんじゃないですよ。もうちょっと激しいこと。(殴られたりして)骨格ごと変わってしまうんじゃないかなというぐらい、厳しい日々が小学4年生ぐらいからありましたね。今はそういうことはあまりしないんですけど」と振り返った。加えて、

「(映画の描写より)正直もっと厳しかったし、苦しかったし、辛かったし、嫌だったし、なんでオレはこんなところに生まれたんだろうと思うようなことを感じた8歳、9歳、10歳、11歳、12歳から…15、16歳までずっと辛かったですね」

 と、自らが生まれた環境を恨むこともあったという團十郎。苦しい小学生時代、すでに團十郎には「自分に子どもができたらこう育てたいというビジョンがあった」というが、これまでにも度々、父からの「スパルタ」教育についてYouTubeチャンネルで語っていたという。

「團十郎さんは、2021年6月17日に更新した動画で、“稽古がひどすぎて、小学校3年生くらいのときに歩けなくなってさ”と自身の経験を切り出すと、”毎日2時間踊りの稽古で、1時間は(歌舞伎の演目『連獅子』の稽古のため)毛を振ってたのよ。だから、首がおかしくなってさ。いつもホットタオルと冷たいタオルで冷やしながら宿題やってた”と、厳しい日々を回想しました。

 團十郎さんは現在、子どもたちに“やりたくないことは、やらなくてもいいよ”というスタンスですが、團十郎さんの父は有無を言わせない雰囲気だったそうです。

 團十郎さんは3歳の時、父から”将来、歌舞伎をやりますか?”と問われ、何もわからぬまま“はい、うん!”と答えています。すると、それ以降、“辞めたい!”と思ったこともあったそうですが、その度に父から“あなたは3歳のときに……”と持ち出されていたとのこと。そうした経験から、2人の子どもたちには自主性を大事にしてほしいという思いが強いようです」(女性誌編集者)

 あくまでも、子どもたちの自主性を大事にしたいという團十郎。映画『国宝』は大きな刺激になったかも。