■“過去調査”でベテランタレントは消えることに……

 今回、『NEWSポストセブン』の記事でハラスメント疑惑が報じられたAは納得のいかないことがあると「それは違うだろ!」と収録現場で声を荒らげることもあったというが……。

 大手芸能プロダクション幹部が口を開く。

「かつて、というか数年前までのテレビ界は上下関係が厳しく、大物タレントやベテランディレクターがADなどの若手スタッフを叱責することが当たり前でした。今では暴言と取られるような言い方、そして時には手が出ることも……。はっきり言って、過去を掘り返されれば、何かしら出てくるベテランタレント、ベテランテレビマンは少なくないでしょう。むしろ、何かしら脛に傷を持つ人のほうが多いとも言えるぐらい。

 しかし、時代は急速に変わり、テレビ界の現場でもコンプライアンスの遵守が徹底されるように。そして、中居氏や国分さんの件が起きて、過去のことであってもハラスメントがあったと報告が上がってきたら、局サイドはしっかりと調査せざるを得なくなったんですよね」

 中居氏の問題を巡り、フジテレビなどが設置した第三者委員会が3月31日に公表した報告書には、10年以上前に《有力な番組出演者》が女性社員と2人きりになった際、下半身を露出したという案件もあり、これがとんねるず石橋貴明(63)だったとことが後に明らかになり、世間に衝撃が走った。

「線引きが曖昧なんでしょうが……どこまでもさかのぼって調査するのであれば、過去の言動が問題視されるタレントは続々と出てくるでしょう。

 もちろん、過去のことであっても酷いものは追及されて仕方がないのでしょう。ですが、過去のハラスメント行為の告発によって番組を降板するのが“当たり前”のことになってしまったら――今、芸能プロダクション、そして制作サイドの人の間でも“もうテレビ番組に出るタレントはいなくなってしまう……”と話されていますね。今回、報じられているAさんの件もどうなるのか……」(前同)

 令和の時代、ハラスメント行為は許されるものではない。しかし、その今の基準を過去にも当てはめてしまったら――今後も、芸能界、テレビ界におけるハラスメント事案は浮上し、さまざまな議論が起こるのだろう。