■中盤で『明日はもっと、いい日になる』は変わるか

 デリケートな家庭の問題にもしっかり踏み込み、親と子どもの関係を丁寧に描いていると好評な本作。間違いなく良作なのだが、リアリティを重視しているだけに、ドラマチックな展開は難しく、地味な印象は否めない。初回視聴率の7.1%から数字を下げ続けているのは、その反映だろうか。

 地味な展開は、徳永えり(37)や富田望生など、実力派ゲストでカバーされている。第4話では、20年放送『テセウスの船』(TBS系)で主人公の子供時代の姉、23年放送のNHK大河『どうする家康』で茶々の幼少期を演じて話題になった、注目の若手俳優・白鳥玉季(15)が、女子高生役で登場する。見ごたえは十分、期待できるが、起爆剤となるかどうか、注目したい。

 この流れで物語の前半は、ゲスト俳優が華を添える回が続くだろう。ただ、中盤以降はそれだけでなく、翼(福原)と蔵田(林)に加え、児童心理司・蒔田向日葵(生田絵梨花/28)、児童福祉司・桐谷聖夜(濱尾ノリタカ/25)ら、児相メンバーが絡む大ネタも描かれると思われる。

 回を追うごとに、児相にチーム感が出てきており、みんなで問題に当たる場面は頼もしさを感じる。また、児相の班のリーダー・蜂村太一役の風間俊介(42)や、一時保護所の課長・南野丞役の柳葉敏郎(64)など、ベテラン俳優のフォローもあり、静かながらも盛り上がっていくはずだ。

 地味ながらも丁寧な作りが、視聴者の心に響いている本作。次回はネグレクトのシングルマザー・夢乃(尾崎)に翼(福原)が向き合い、児童心理司の向日葵(生田)がメインになるエピソードも描かれるようだ。これからの巻き返しに期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。