日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回は人生100年時代において注目を浴びる“生活寿命”に注目。
人生100年時代という言葉が飛び交う今、「健康寿命」だけでなく、“生活寿命”という新しい視点にも注目が集まっています。
生活寿命とは「ある生活行動ができなくなったり、したくなくなったりする年齢」のこと。博報堂生活総合研究所が2014年、2019年、2024年と3回にわたり、首都圏・阪神圏の20~69歳男女1000人を対象に調査を続けています。その結果、日常の細かな行動について「何歳までそれが可能か」「何歳でやめたくなるか」が数字として明らかになりました。
たとえば「徹夜寿命」は39歳5か月。徹夜すると翌日どころか2日間は使いものにならないと感じる年齢で、30代後半からは明らかに翌日の体調を考えて無理をしなくなる傾向が見られます。
「母親デート寿命」は45歳10か月で、母親と2人でショッピングに行くことをはばかられる年齢です。意外にも最近の若者は母親と仲が良く、27歳の男性が「つい最近も母親とショッピングに行ってほのぼの過ごした」と話すように、母親デート寿命は年々伸びているようです。
特に男性での伸びが顕著で、10年前と比べ7歳9か月も延びています。Z世代の親子関係が良好で『メンターママ』化も進んでいるため、こうした傾向が現れていると考えられています。