今年前半のドラマを振り返ると、豪華キャストなどで注目されても視聴率が低調だった作品があれば、予算削減を噂されていても大ヒットした作品もあった。そんな中、良い意味で期待を裏切ったのが、数字を持っていない俳優ではと危惧されていた、芳根京子(28)が主演した『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)だ。

 1月期に“火曜ドラマ”枠で放送された同ドラマは、水谷緑氏の同名コミックエッセイ(KADOKAWA)が原作。医師1年目の研修医・若月まどか(芳根)が、令和の働き方改革で変わりゆく医療現場で、同期の仲間たちと励まし合いながら、医師として女性として、人生と向き合う濃厚な2年間を描く成長物語。

 芳根は、23年4月期の主演連ドラ『それってパクリじゃないですか?』(日本テレビ系)が全話平均視聴率4.2%(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)で惨敗。その後、ヒロイン役で出演した24年4月期『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)も4.6%と連敗が続いたが、『まどか26歳』は6.0%と向上した。

 TBS火曜ドラマにしては恋愛要素よりお仕事要素が強かった本作の魅力は、医療現場のリアルな描写だ。それは、医療監修を務める竹内一郎医師が公式サイトのインタビューで、医師たちの所作は当然ながら、セットの医師たちの部屋のポスターやファイル、病室の雑誌まで、リアリティにこだわるスタッフの熱意に驚くほどだった。