■わざわざ「通行止め」にして実況見分を行う理由

 事故発生から3か月以上経ったタイミングで、通行止めによる実況見分。この背景には一体どういった事情があるのか――。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏に解説してもらった。

 まず、4月の事故の実況見分が今になったことについて、小川氏は「遅いわけではない」という。

「当時、広末さんの精神状態が不安定であることなど、健康状態に問題があったとも報じられています。彼女はさらに、病院で看護師を蹴るなどの傷害事件も起こしていました。それらすべてに対し、示談などある程度カタがつき、スケジュールとしてハマったのが今ということでしょう。当然、警察はそれまでに何度も広末さんに話を聞いているはずで、現場では辻褄があうかということの確認です」(小川氏=以下同)

 今回のように通行止めにして実況見分を行なった理由は何か。

「やはり広末さんという知名度の高い俳優さんの事件であることは、通行止めにする大きな理由です。

 というのも、特に今のSNS時代、仮に実況見分の最中に通りがかった誰かによって、"広末さんの事故現場で何かやっている”といったことをネット上につぶやかれたら、一目見ようと野次馬が集まってきかねない。車をゆっくり走らせて写真を撮影する人もいるでしょうし、配信する人が現われるかもしれません。それこそ余計な混乱を招き、よそ見運転による事故など、二次被害を誘発する可能性が出てきます」

 たしかに事故発生当時、現場に居合わせた人間が撮影した写真がXで大きく拡散された。

「やはり道路上は危険なので、万が一のことを考えた安全対策は必須ということで、今回、県警の判断で通行止めにしたということですね。あまり大きく報じられていないだけで、特に芸能人が関与した事故では一時的な通行止めをすること自体は、珍しいことではありません」

 批判を受けてしまった裏側にはさまざまな事情があったようだ。