■佐藤健は18年前から規格外だった
2007~08年にかけて放送された『仮面ライダー電王』は、主人公の野上良太郎(佐藤)が“時の運行”を守るため、個性豊かなイマジン(怪人)を身体に憑依させ、仮面ライダーとして戦う物語。メインとして登場した良太郎のイマジンは4体。佐藤は当時17、18歳で演技経験も少なかったが、“素の良太郎”や、番外のイレギュラーな憑依も含め、1人8役を天才的に演じ分けた。
最近では、7月27日放送の『日曜日の初耳学』(TBS系)でこのエピソードが紹介された際、オーディションを担当した東映の白倉伸一郎プロデューサーが、「実は役柄の難しさから、もともと演技派のベテランを主役にキャスティングする予定」だったと明かし、それを佐藤が実力で覆したという初出し話もしていた。
「佐藤さんは『電王』で新人離れした実力を見せたわけですが、それは演技面だけではなかった。彼は劇中で流れる挿入歌も担当していたんです。特に、佐藤さんとイマジン役の声優とのデュエット曲『Double-Action』シリーズは、佐藤さんの歌唱力、表現力を語るうえで、やはりファンの間では有名ですね」(前出の女性誌編集者)
『仮面ライダー電王』では、『鬼滅の刃』(集英社/フジテレビ系)の鬼舞辻無惨役で有名な関俊彦(63)ほか、多くの人気実力派声優がイマジンを演じ、それぞれの『Double-Action』を佐藤と歌い上げた。
キャラの個性に合わせて曲調がアレンジされており、佐藤はユーロビート調、軽快なスカ調、演歌調、ヒップホップ調、原曲の面影がないエレガント調と、多くのパターンを歌い分けたのだ。本編終盤には『Real-Action』という、良太郎(佐藤)のソロ曲も登場した。
「そんな佐藤さんが主演するドラマ『グラスハート』は、第10話がほぼ全編ライブシーンで構成されていると予告されていて、佐藤さんの圧巻の歌唱力が堪能できるといいます。
18年前から歌唱力に定評のあった佐藤さんですが、そこから俳優としてキャリアを積み重ね、トップ俳優となった。あらためて、歌唱シーンでも“一流感”を感じさせてくれそうですね」(前同)
佐藤は同じく配信ドラマでは、小芝風花(28)とのダブル主演作『私の夫と結婚して』(6月27日配信/Amazon Prime Video)にて、“主人公(小芝)の2度目の人生の相手役”を好演。同ドラマは、配信開始後30日間の国内視聴者数で歴代1位を記録する大ヒットを記録している。
『私の夫と結婚して』は大ヒット韓国ドラマのリメイク作品だが、佐藤は『グラスハート』の情報解禁時、こうコメントを出していた。
《Netflixが現れ、韓国ドラマが世界中でヒットするようになり、日本の実写作品も同じように世界中に愛されるものになってほしいと思うようになりました。それはぼくにとって初めてできた目標であり夢のようなものでした。グラスハートの映像化はその実現にむけて踏み出した最初の一歩です》
今や日本を代表するトップ俳優となった佐藤は、目指す目標に向けて“最初の一歩”を踏み出すようだ――。