■現金に近いことで現実的な節約手段に

「一見すると時代遅れに見える金券ショップですが、実はとても現実的な節約手段。特に“現金に近い形”で使える商品券やプリペイドカードは、計画的な家計管理に向いています。最近ではギフト目的の利用も増えていて、“無駄がなく、喜ばれる”というニーズに合致していますね。

 もちろん、有効期限や使用条件がある金券もあるので、その点は確認が必要ですが、慣れてしまえばこれほど効率の良い買い物方法はないかもしれません。実際、浮いた金額を貯金した結果、1年で10万円分おトクだったという金券マニアもいるようですよ」(生活情報サイト編集者)

 ネット上でも利用者から「節約のつもりだったが、買い物が楽しくなってきた。生活に張りが出る気がする」「ポイントより即効性があるし、何より財布の中に現金が残る感覚が好き」「推し活にも使えました! 安く移動できた分、グッズが買えて大満足」といった声が聞かれます。

 重要なのは「何を」「どこで」「どの金券で買うか」をあらかじめ把握しておくこと。しっかりと計画を立てておけば、感覚的に使うよりずっと効率的に節約できます。日によって在庫状況や価格が変動することもあるので、こまめなチェックも欠かせません。

 スマホ一つで何でもできる時代に、現金を握って金券ショップへ向かう行為は、どこか逆行しているようにも見えるかもしれません。

 しかし、金券には現金ならではのリアリティと達成感が宿っているようにも感じられます。お釣りの小銭を貯める、レシートを見返して節約額を記録する、そうした“小さな積み重ね”の楽しみが、生活に潤いをもたらしてくれるのはないでしょうか。

 金券ショップは「安く買うための店」というだけでなく、賢く、楽しく、そして前向きに日々を暮らしていくための“知恵の宝庫”として、多くの人の暮らしを支えているのです。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。