■『鬼滅の刃』の再放送が叩き出した驚きのコア視聴率
7月に放送された『鬼滅の刃』のコア視聴率は以下の通り(いずれも夜7時~/4日のみ夜8時~)。
・7月3日放送の「遊郭決戦編」…5.8%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)
・4日放送の「刀鍛冶の里 敵襲編」…6.2%
・6日放送の「刀鍛冶の里 繋いだ絆編」…8.3%
・16日放送の「柱稽古 開幕編」…5.8%
・17日放送の「柱稽古 柱結集編」…6.0%
「コア視聴率は3%を超えれば高いと言われ、5%を超えることはごく一部の番組を除いて滅多にない。それを踏まえると、全7回ともあり得ないほど高い数字でした。同じフジテレビのドラマ作品では、月9ドラマでもコア視聴率1%台の時もありますからね。
そして、フジテレビではただ再放送するだけでなく、“付加価値”をつけることでさらに視聴率を上げている感じですよね。『全七夜特別放送』での新規ボイスつきの特別映像や、初出しの映画特報などを目当てに再放送を楽しんだ人も多いことでしょう」(前出の民放キー局関係者)
現在、上映中の劇場版の『無限城編』は3部作構成。今後、第1部を「地上波初放送」と題して放送したり、その流れで第2部、第3部関連の最新情報を出したりと、そういった展開も十分に考えられる。
「フジテレビでは今後もたびたび、『鬼滅の刃』の総集編や一挙放送を打ち出すことができるでしょうし、その度に物凄く高い視聴率を取るはず。そしてそこには高単価のCMが入ります。上映中の映画からは直接的な収益は得られずとも、『鬼滅の刃』は同局にとってカネのなる木であり、今後も絶対に欠かせないコンテンツと言えるでしょうね」(前同)
本サイトがフジテレビに、劇場版『鬼滅の刃』の製作委員会として参加しているのか問い合わせたところ、「弊社はアニメ『鬼滅の刃』の製作委員会には参加しておりません」という回答だった。
ちなみに、フジテレビは2025年夏の新人事発表にて、《成長戦略としては自社IP(※知的財産)の開発を加速させるため「アニメ事業」と「IP事業」「MD事業」を統合し、優良IPからの収益を最大化させるための体制を整えます》と発表している。
また、1月28日からフジテレビの社長に就任した清水賢治氏(64)は『ドラゴンボール』、『ちびまる子ちゃん』、『HUNTER×HUNTER』などを手掛けてきたアニメ畑出身。それもあるのだろう、6月11日放送の『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)に出演した際、清水社長は、親会社のフジ・メディア・ホールディングスが5年かけて行なう成長投資2500億円の半分をアニメなどのコンテンツ事業に充てるとも明言している。
『鬼滅の刃』の大ヒットは、25年上半期、コンプライアンス問題で大打撃を受けたフジテレビの今後に大きな影響を与えていきそうだ――。