■「夫の心境と夫婦が揉める理由」を専門家が詳しく解説

 復職を希望するパートナーに「No」を出すことは、一般的な家庭でもあるケースのようだが、具体的な事例について夫婦問題研究家で結婚・離婚カウンセラーの岡野あつこ氏はこう話す。

「国分さんのお子さんは2人とも小学校に上がったとのことですが、お受験ママの中には“中学受験が終わるまでは一緒にいてあげたい”という人も少なくないですね。そして、小学校に入った時点で仕事に復職する人はそれなりにいます。

 ただ、夫に何かがあった際、子どもの将来や家計のことも考えると“私が頑張らないと”となる母親も多いんです。ですが、夫や家庭を支えようと、良かれと思って働きに出てしまうと夫のプライドを傷つけることもあるんですよね。

 妻には2つのタイプがいて、“夫や家庭を支えるために頑張ろう”という人、“夫にはもう頼れない”と自立しようとする人がいます。ただ、どちらのタイプも夫のプライドを傷つける可能性があります」(以下、岡野氏)

 今回の『女性自身』の記事では、復職を希望する妻に対し、国分は“俺の顔に泥を塗る気か”という思いがあるのか――とも論評している。

「しっかりとした家庭でしたら、一定の貯蓄がありますからね。貯蓄は“まさかのとき”に使うわけですが、そのお金を使わずに妻が働きに出るとなると、夫のプライドを傷つけることになりかねないんです。

 ただ、国分さんの妻のように能力がある女性ほど積極的に復職したいと考えるでしょうね。妻側にも“キャリア面を考えると早めに復職しないと……”という焦りも生じるでしょう。しかし、それでは仕事を失ったり、収入が下がった夫の心情をないがしろにしてしまいがちなんです。

 夫が働けなくなった場合、たしかにお金の面は心配でしょうが、夫婦関係を考えると夫を奮起させることが大事だと言われています。それに国分さんの家庭の場合、子どもはまだ小学生。国分さんにも“せめて中学に上がるまでは一緒にいてほしい”という考えがあるのかもしれません。

 どの時期まで子どもをケアするか――そこの考えが夫婦でマッチしないと、夫婦の関係性に齟齬が生じます。そういった家庭はこれまでも多くありました。

 国分さんの場合は、これまで十分な収入があったからなおさらではないかと。このタイミングで妻から“復職したい”と言われたら国分さんのプライドが傷つくことは必至だと思われます。内助の功に厚い人ほど、夫を支えたいとそういう考えになると思われますが、夫の面子を保ってあげることも家庭円満の秘訣の1つとも言えるんです。

 夫が転職して収入が下がるケースもありますし、その際に妻が“自分も頑張らないと”となりがちなのですが、妻が働いて支えることが100%正解ではない、という事例もこれまでよくありましたね」

 活動休止から1か月半、国分の復帰はまだまだ全く見えない――。

岡野あつこ
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を1人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに30年以上、3万8000件を超える相談を受ける。現在は後進の育成として離婚カウンセラーの養成にも力を入れ、札幌・横浜・東京・大阪・名古屋・福岡に「離婚カウンセラー養成スクール」を開校。これまで2200人を超える卒業生を輩出している。
公式YouTube「岡野あつこ®公式チャンネル【岡野メソッドによる夫婦円満の秘訣を教えます】」