日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。ここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。

 8月5日の札幌8RをナリタヒカリでⅤ! JRA通算4600勝を達成することができました。

 4500勝を達成したのが2024年5月12日でしたから、約1年3か月で、100勝を挙げたことになります。

 100勝の中には、ドウデュースをパートナーに挙げた天皇賞(秋)、ジャパンカップの勝利。人がつないでくれた馬の縁、馬がつないでくれた人の縁を強く感じさせてくれたメイショウタバルの宝塚記念など、中身の濃いレースがたくさんありました。

 クリストフ(ルメール)、ノリさん(横山典弘)、和生騎手、武史騎手の横山ファミリーをはじめ、この日、札幌で騎乗していた浜中俊騎手、藤岡佑介騎手、松山弘平騎手ら後輩たちみんなに祝っていただき、記憶に残る1日になりました。

 えっ!? 1人忘れている?

 そうでしたね。「今日、勝ってくださいね」とプレッシャーをかけ、まるで自分のことのように嬉しそうに記録達成のプラカードを持ってきた自称“武豊王”の後輩、池添(謙一)君にも感謝です(笑)。

 デビュー39年目で達成した記録ですが、振り返るとあっという間で、とにかくたくさんの方に支えられ、数多くの馬に助けられたおかげで、ここまでやってくることができました。

 ここまで来たからには、もちろん、JRA通算5000勝が大きな目標にはなりますが、いつでも目指すは、“次の1勝”です。

 応援してくださるすべての方に、ともに戦うすべての馬に感謝の気持ちを持って、これからも、一つ一つ、勝利を積み重ねていきたいと思います。