芸能界を知り尽くす山田邦子が、昭和・平成・令和のあの人との思い出”を語るコラム。ゆかりのある芸能人との裏話や舞台裏を通じて、芸能界の今昔を浮き彫りにする。
前回に続いて、テレビ局ごとの違いをお話しします。テレビ朝日は、『徹子の部屋』などの長寿番組が多いですよね。『ポツンと一軒家』みたいな高齢者向けの番組で、確実に視聴率を獲得するスタイルで、他の局と一線を画しているように感じます。それと、男性アナウンサーが昭和のホストっぽいと思うのは、私だけかしら(笑)。
私はテレビ東京が大好きなの! 大きな事件や災害があっても特別番組を編成することなく、アニメを流し続けるところなんてテレ東らしくていいじゃない。「他の局に任せて、ウチはウチがやるべきことをやるんだ」という矜持を感じます。
テレ東には素人時代からかわいがってもらって、たくさんの番組に出演させていただきました。私が司会を務めた『全日本そっくり大賞』は、コージー冨田や原口あきまさ、はるな愛らを輩出。他にもテレビ東京が生んだスターは、たくさんいると思います。
昔は朝ご飯を食べるためにテレビ東京に行ったこともありました。東京タワーの近くに社屋があった時はセキュリティが緩くて、自由に出入りできたんです(笑)。大らかな時代よね。
テレビ東京の社員は育ちがよさそうな人が多い印象があります。皆さん、品がいいんです。差し入れをしたら、ディレクターから照明さんまで「おいしかったです!」と、お礼を言いに来てくれる。アットホームな雰囲気もテレビ東京の魅力です。
最近、心配しているのは女性アナウンサーが次々と退社してしまうこと。森香澄という逸材が辞めたのは大きな損失! 私、彼女のことが大好きなのよ。
局アナ時代から、かわいくて聡明なところが気に入って、焼き肉やフレンチに連れて行ったの。今はフリーになって大活躍しているけど、森香澄なら、もっと輝けるはず。私にプロデュースさせてほしいわ(笑)!