■「いちばんスキャンダルがあってはいけない番組」
まず鎮目氏は、スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズの「特別な事情」を指摘する。
「通常アニメやドラマが1クール大体3か月であるのに対し、いわゆる戦隊モノは1年間の放送。これはスポンサーである玩具メーカーから発売される関連グッズを売るためです。
誕生日やクリスマスなど、“子どもがプレゼントを買ってもらうタイミング”を逃さないために1年間の放送になっているという事情がある。また、学年が変わる際には、親や親戚から学校で使う道具などを買ってもらう子どもも多く、そういったタイミングでもグッズが売れます。さらに、物語に登場するアイテムにしても、すべてグッズにしやすくなるように設計されています。ビジネスとして、練りに練られたコンテンツなんです」
そうした戦隊モノは、「最もスキャンダルがあってはいけない番組」だという。
「戦隊モノは、子どもや特撮ファン向けというだけでなく、今や若手俳優の登竜門にもなっていて、芸能事務所が若手所属タレントをキャスティングしてほしい枠。つまり女性視聴者もターゲットとなっていて、スキャンダルによるダメージは大きい。
だからといって、スキャンダルがあったキャストの変更や出演シーンのカットなどといった対応をしても、子どもへの説明はなかなか難しいものがあううえ、当然ながらグッズにもそれなりに影響が出ます。台本を変えるのは、覚悟の大手術。本音としては、どうにかこのまま沈静化してくれないか、というところでしょうが、いずれにせよ局内は大混乱だと思います」(以下同)
今森の所属事務所が文春の取材に対し、《社内で事実確認を行なっている》と肯定も否定もしなかったのには、“スポンサーへの配慮”が考えられるという。
「事務所としては今のところ、仮にスキャンダルを認めて謝罪をすれば、それなりの対応が必要となってしまうので、肯定も否定もしないということでしょうね。とはいえ何らかの理由をつけて騒動をごまかしても批判が高まるのは間違いないし、否定したら傷が深くなる可能性もある。
また、今から年末にかけては、グッズが売れる“回収ターン”に入ってくる時期であり、その前にスポンサーに負担をかけることがあってはいけない。最も“替えが効かない”番組で起きてしまったスキャンダルで、各所が頭を抱えている状況、というのがリアルなところではないでしょうか」
単なる不倫スキャンダルではなく、さまざまな事情が絡んでいる今回の騒動。今後も、『ゴジュウジャー』が大好きな子どもたちが、変わらず楽しめればいいのだが……。