地震に秋の台風。次にいつ大災害が発生してもおかしくない我が国。
だからこそ用意しておきたい万が一の備え。特に、生活に密接に結びつく自家用車が災害に強ければ心強いだろう。
レーシングドライバーで、モータージャーナリストの松田秀士氏も、こう言う。
「被災して車中で過ごす非常時もあるでしょう。ある意味、車とは、そういう場合でも有効性を発揮できないといけない。また、そういう時にこそ特徴を発揮できる車もあります」
松田氏が、「災害に強い車」として真っ先に口にしたのが、広い室内と走破性を兼ね備えるSUVだ。
「車高が高いので、浸水に見舞われても脱出できる可能性もあります。代表例としては、『ハリアー』(トヨタ)が挙げられます」(前同)

さらに、車を避難先として車内で過ごさざるを得ない時に心強い車種として、『アウトランダー』(三菱)があるという。

なんと、この車、「1500Wくらいの電化製品を車内で使用できます。コーヒーを飲んだり、くつろぎの時間が作れます」(松田氏)と説明するように、広い車内に複数のコンセントを持つなど、居住性に優れているのだ。
電化製品を使える車として、電気自動車メーカー『BYD』の車もオススメ。

「電気自動車を蓄電池として活用できるイメージで、停電時に、そのバッテリーを使用することで、3日くらいであれば普通の生活が送れます」(前同)
続けて挙がったのは、ハイトワゴンと呼ばれる車高が高い軽自動車。
「人気のホンダ『N-BOX』は、4WDの走行性と緊急の車内泊性を持ち、利便性は相当なもの。この車で氷上走行した経験がありますが、実に安定して車内ユーティリティも高かった。体を伸ばして、驚くほどリラックスできます」(同)

さらに、その大型版として『ハイエース』(トヨタ)も挙げる。
「工事作業用としてだけでなく、マイカーや緊急時用としても人気は高い」(同)
備えあれば憂いなし。居住地域の危険性と、自家用車など“相棒の武器”を、しっかりと確認しよう。
松田秀士(まつだ・ひでし)
1954年(昭和29年)12月22日 高知県に生まれ大阪で育つ。ビートたけしの運転手から28歳でプロレーサーを目指し、シビックレースを皮切りに、F3、F3000、グループCやグループAなど、ツーリングカーからフォーミュラカーまであらゆるカテゴリーで活躍。1994年、念願のIINDY500に参戦。1996年には当時日本人最高位となる8位でフィニッシュを果たす。またスーパーGTでは100戦以上出場したグレーテッドドライバー。