昨年5月27日にリリースした楽曲『はいよろこんで』が社会現象となったアーティスト・こっちのけんと(29)の直近の“再始動”がまた反響を呼んでいる。
2024年にYoutube上に同曲のMVを公開すると、TikTokの「踊ってみた」動画が大きく拡散。『はいよろこんで』は配信から4カ月で視聴回数1億回を突破する大バズリを記録した。年の『NHK紅白歌合戦』にも出場、俳優の菅田将暉(32)の弟ということも話題となり、その年の音楽界の顔に。しかし、本人が公表していた双極性障害(躁うつ病)もあり、今年の1月1日に、
《同じ思いを持つ人、同じ病を持つ人、可能な限り背負わせていただき、人生をかけて1年間歌わせていただきました。本当にありがとうございました。若干躁期でした。今後は跳ね返りと戦うために当分休みます》
と、一時休業を発表して多くのメディアがそのニュースを取り上げていた。
そんな彼が再び動き出したのだ。3月に自身のXで、《【セーブ期間終了のお知らせ】やっつけました》と復活を表明して以降、活動を再開。
そんな彼が8月31日にリリースした楽曲『ごくろうさん』のMVが10月2日公開され、早くも世間の心を掴んでいるようだ。
「この曲は9月24日に発表された『週間 USEN HIT SNS ランキング』でもランクインし、話題に。そして公開されたMVには、視聴者から《この人の曲はいつも、人の命を救っている》といったコメントが寄せられることになりましたね」(音楽雑誌ライター)
このこっちのけんとの新曲『ごくろうさん』に「彼の覚悟を感じた」と絶賛するのは、『マツコの知らない世界』や『ヒルナンデス!』など、数多くのテレビ番組に出演した音楽評論家の藤田太郎氏。
「“ごくろうさん”──その言葉通り、聴いている人の人生を包容し、労う曲です。自分がストレス社会を癒やす、時代の救世主になっているという自覚があるのでしょう。
かつてのJポップは根性に訴えかける“頑張ろうソング”が主流でしたが、大ヒットした『はいよろこんで』のような、ツラい人に寄り添うメッセージが、かえって今の時代の人々を勇気付けるんです」
『はいよろこんで』はサビに、「トントンツートントン」(モールス信号でSOSの意)という歌詞を組み込んだ斬新さも話題になった。それには、メンタルの不調を抱えた自身への思いも反映されているという。
「サラリーマンとして社会人生活を歩んでいたこっちのけんとさんは、ストレスのあまり、ある日自宅で倒れ、双極性障害と診断された過去があります。
“『はいよろこんで』は人の役に立とうとするあまり、自分をないがしろにしている時期に制作した”とご本人がインタビューで語っています。
“自分に向けた手紙のつもりで”と、SOSを発信する必要性を暗示的に歌い、結果的に世間の共感を呼びました」(前出の藤田氏)