日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが“乗った・乗りたかったあの一台をプレイバック!
外観は斬新なデザインで280馬力の最高出力は自主規制も生み出した
■さまざまな話題を提供したスポーツカーの代表
1969年に発売された初代フェアレディZは、ボンネットの長いボディに、日本では直列6気筒2Lエンジンを搭載して人気を得た。
その後はフルモデルチェンジを重ねて、再び注目されたのは、好景気の1989年に発売された4代目のZ32型フェアレディZだ。
最も話題になったのは外観で、3代目まではボンネットを長く見せるスポーツカーの古典的なデザインだったが、4代目はV型6気筒エンジンを生かして短く抑えた。
引き締まった低くワイドな外観は、エンジンを後部に搭載するミッドシップ風で新鮮だった。
動力性能も高く、V型6気筒3Lツインカムターボは、最高出力が当時の日本車史上最強の280馬力に達した。
この数値をきっかけに、各メーカーは運輸省(現在の国土交通省)の顔色をうかがい「280馬力の自主規制」を始めた。
2004年に4代目ホンダレジェンドが300馬力を発生するまで、15年間にわたり280馬力が日本車の上限であり続けた。4代目フェアレディZは、さまざまな話題を提供した。
オーディオやATレバーの収まるセンターコンソールは、傾斜しているから開放感がある。エアコンなどのスイッチは、メーターの両脇に備わる。
オプションで本革シートも装着できた。運転席の両側の張り出しを調節するサイドサポート、腰の部分を調節するランバーサポートも採用した。
2シーターボディの全長は4310mm、全幅は1790mmだ。当時はこの数値でもワイドな部類に入った。全高も1245mmと低く、この外観は目立った。
4代目フェアレディZの販売期間は1989年から2000年だ。中古車はすべて25年以上を経過している。
それでも人気が高く、中古車も相応の台数が流通する。希少性があるため、中古車価格は250〜400万円が多い。