■『じゃあつく』は好評も…2つの「大誤算」ドラマ
『じゃあつく』が人気沸騰となっている裏側で、数字面で大苦戦している秋ドラマもあるという。
「沢口靖子さん(60)主演のフジテレビ系月9ドラマ『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』は人気シリーズの続編であり、沢口さんにとって35年ぶりとなるフジテレビでの連ドラ主演作としても注目されていたのですが……厳しい状況にあります」(前出の制作会社関係者)
『絶対零度』シリーズは、2010年4月期からフジテレビで断続的に放送されている刑事ドラマ。シーズンごとにメインとなる部署や主人公含む登場人物が大きく入れ替わるのが特徴で、今回のシーズン5は沢口が主演。新主人公・二宮奈美(沢口)が、「情報犯罪特命対策室」の仲間たちと、高度な情報技術を悪用した“情報犯罪”に立ち向かう。
同作の主演である沢口は25年以上続く『科捜研の女』シリーズ(テレビ朝日系)の主人公・榊マリコのイメージが強いだけに、“久しぶりに他局で違う役をやる”という点で期待する声も多かった。
「同作には発表当初から、沢口さんが還暦を迎えたタイミングでテレ朝からフジに“移籍”して新しい役にチャレンジ――そんな印象を抱く人が多く、実際に多くのメディアでそうした報道もありましたよね。
ですが、沢口さんの周囲の関係者は、そういった年齢面などが強調されてしまうのは好ましくないと感じているみたいです。“移籍”という部分に関しても、沢口さんはフジの『絶対零度』だけに集中しているわけではないようで、『科捜研の女』の新作SPの撮影を同時進行で行なっているようですね」(前同)
10月16日発売の『女性セブン』(小学館)では、来年の年始に『科捜研の女』の2時間のスペシャルドラマが控えていること、そのため沢口は『絶対零度』と2作同時撮影というハードスケジュールに臨んでいることが報じられている。
「そんな状況で撮られている『絶対零度』ですが、『科捜研』と同じ警察ものドラマということもあり、視聴者の間ではどうしても『科捜研』の“榊マリコ”のイメージが消えない、という声が多いようです。せっかく『科捜研』以外の作品に出るなら、ジャンルも違うものが良かったという指摘も……」(同)
視聴者からは、
《沢口靖子をマリコから遠ざけようとして叫ばせたり走らせたりしてるけどさ絶対零度じゃない感強くなってる気が》
《絶対零度の沢口靖子さん、科捜研のまりこすぎて話が入ってきません笑》
といった、どうしても『科捜研』を思い出してしまうという声が多い。
そんな『絶対零度』第2話(10月13日)の視聴率は世帯5.5%、個人3.0%、コア1.4%となかなか厳しいようだ。TVerのお気に入り登録者数も秋ドラマ10位の63.9万人となっている。
「現在フジテレビでは、リアルタイムでドラマを楽しんでくれている、少し上の世代に向けたドラマ作りをする方向にシフトチェンジしつつあると聞こえてきています。そのため、そういった層のファンが多い沢口さんに主演を依頼したところはありそう。
実際、今年4月期に同枠で放送された小泉今日子さん(59)と中井貴一さん(64)のダブル主演作『続・続・最後から二番目の恋』はその狙いが当たった感もあったのですが…‥『絶対零度』は現状、そうはなっていないようですね」(同)
大人の青春ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』は、コア視聴率こそ高くはなかったが、世帯視聴率や個人視聴率、見逃し配信・TVerの数字では“成功”。全話平均世帯視聴率は、民放の春ドラマ3位の7.7%だった。最低世帯視聴率も7.0%(第7話と第9話)で、『絶対零度』よりも遥かに高い。
そして、フジテレビドラマでは、三谷幸喜氏(64)が脚本を務め、菅田将暉(32)が主演する水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』も、数字が振るわない状況にあるという。