■日テレの対応は「臭い物にふた」元キー局Pが指摘
国分サイドが日弁連に人権救済を申し立てること、日本テレビの動きについて、以前も日本テレビの対応に対して疑問を呈していた元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏はこう見解を示す。
「“コンプラ違反の内容は相手のプライバシーがあり公表はできませんが、番組には出演させません”というのは誰が考えても一方的すぎますよね。
国分さん自身がこの件に関して説明したいでしょうし、“間違ったことをした”と反省や謝罪の弁を述べたいはずです。真摯に説明して反省したかで視聴者の印象も変わってきますし、イメージの回復度合いも違ってきますからね。タレントや事務所的に考えると、謝罪の機会をもらって反省していると伝えたいところでしょう」(鎮目氏、以下同)
元タレントの中居正広氏(53)の女性トラブルに端を発した一連のフジテレビ問題の影響もあり、日本テレビは同問題をいち早く収束させたかったのではといった報道もあったが、国分が人権救済を申し立てることが明らかになり、
《中居正広と同じような展開 国分太一vs日テレ》
《悪者扱いされた側の意見は聞き入れてもらえず、長年貢献した局に切られる。中居くんの件とダブる》
《これ中居くん以上に闇深くない?》
といった意見もSNSには寄せられている。
「フジテレビ問題もあったことで一刻も早く鎮静化させたかったのかもしれませんが、タレントの降板だけを発表して事の収拾を図るというのは、テレビ局側の視点だけで物事が動いているようにも見えます。やはり、国分さんに説明の機会を設けてもいいのではないでしょうか。
相手のことはぼやかせばプライバシーにも配慮できるでしょうし、今のままでは臭い物にふたをしているようにも受け取れます。テレビ局側だけは無事で済むようにも見えますし、一緒に番組を作ってきたタレントへの思いやりや敬意がないとも感じられます。
現在、タレントのスキャンダルは世間で重く受け止められますが、それは視聴者への“教訓”にもなりますからね。“こういうことをすると〇〇さんみたいになってしまうよ”という戒めですよね。
ただ、国分さんの件はコンプラ違反の内容が全く表に出てこず、そういう役割も果たせていない。テレビ局としての社会的責任も取れていないとも言えるでしょうね」
人権救済を日弁連に申し立てるという国分が、自身の口からコンプラ違反の反省、謝罪を述べる日は訪れるだろうか――。
鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)