■『じゃあつく』の勢い止まらず
X上では、竹内、夏帆は言うまでもなく、《サバサバしてる中条あやみ、めちゃめちゃ良くない?!》《元カノのこと思い出して号泣しているのに「飲もうぜ」って言える椿、めちゃいい女だ》《ミナトくん初見から、これはヤバそう、悪気なくすぐ女沼らせそう、絶対手を出したらヤバイ男って感じがしたんだけど、そんな感じ出せる若手俳優がすごい》など、中条、青木に対する反響が多かった。
意外と言っては失礼だが、勝男(竹内)にとって初めての女友達・椿を演じた中条が素晴らしかった。かわいさとズルさをあわせもつ嫌われキャラかと思わせておいて、実は細かいことは気にしないスカッとしたキャラ。椿が女性と友人になることで「人類のもう半分と友だちになれる」可能性と喜びを語るなどして、勝男に男女の友情があることを分からせていく面倒な展開を、見事に演じきっていた。これまで“お姫様的ポジション”の役が多かった中条だが、これは新境地だろう。
そして青木も、デート中のはしゃぎっぷりなど、めちゃめちゃメロいのに、実はヤバそうな沼感を漂わせるのはさすが。23年7月期『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)でも、高校生を利用するクズな男を演じていたが、そうとうな演技技巧者。19年7月期『凪のお暇』(TBS系)で、天性の人たらし・ゴンを演じた中村倫也(38)に重ねる声もあるほど。このナチュラルなヤバさは、鮎美の悲劇を引き立たせる。
メインの竹内と夏帆はすでに圧倒的支持を受けているが、椿とミナトを演じる中条と青木がいるおかげで、さらにメインが引き立つのは確実だ。TVerのお気に入り登録数で、日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)と土曜ドラマ『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)に40万以上の大差をつけてトップと、すでに圧倒的勝利を収めているが、まだまだ勢いは止まらないだろう。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。
