■元キー局Pが分析――ミセスの『紅白』出場への影響がゼロのワケ

 過去には、『紅白』出場内定報道が出ていた人気グループが、その後に不倫疑惑報道や未成年飲酒などスキャンダルが相次いだため最終的に選ばれなかったこともあったが――テレビ番組制作の裏側、タレントのキャスティングについて詳しい元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏はこう分析する。

「若井さんとニナさんを巡る報道は、報道通りであったとしても“不倫”などではなく、独身同士の自由恋愛ですよね。“同時進行愛”と報じられた件も、ファンからしても不倫ほどの嫌悪感はないでしょう。今後、さらなる報道が出たら状況が変わるかもしれませんが、現段階でミセスが『紅白』に出られなくなるということはないと思います。

 現在の日本の芸能界、特に音楽業界において、ミセスはあまりにも特別な存在ですからね。NiziUはもしかしたら、報道の影響を受けてしまうところもあるかもですが……」(鎮目氏、以下同)

 今やミセスは知らない人がいない国民的バンド。『オリコン』では、2025上半期の「アーティスト別セールス部門 デジタルランキング」で1位を獲得。7月21日付「オリコン週間音楽・映像ランキング」では男性アーティストでは史上初の7冠を達成した。11月5日発表の『オリコン週間ストリーミングランキング』でも、配信限定シングル『天国』(5月2日配信)が累積再生数1億回を突破するなど、桁違いの数字を更新し続けているグループである。

「日本の芸能界はミセスなしで成り立たない状況にあるとも言われ、タレントパワーは圧倒的。昨年6月に楽曲『コロンブス』のMVが大炎上する騒動がありながら、全く変わらずテレビに出演できているのがその証拠です」

 ミセスの楽曲『コロンブス』のMVは、内容が“植民地支配や差別的な表現を連想させる”と問題視され炎上。MVが非公開となっただけでなく、同曲を起用したコカ・コーラの広告展開が中止になったり、同曲を『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で披露する直前に、急遽取りやめが発表されるなど、多方面に影響を与えた。

「普通、そうした出来事があったアーティストは、ほとぼりが冷めるまでテレビに出られなくなってしまうものですが、ミセスはその後も変わらず活躍していたし、その年の『紅白』にも出場していましたよね。ミセスのタレントパワーはとにかく絶大。NHKサイドとしても、ミセスを出場させず、そのせいで若い人が『紅白』を見なくなってしまう方が困るのではないでしょうか」

 その一方で、今後のミセスとNiziUの共演については、「今後の報道次第で変わってくることもあるのでしょうが……」と前置きし、こう話す。

「一般的に、こういった報道が出たグループ同士を、事務所はわざわざ共演させないですよね。変な騒がれ方をされかねないですし、両グループにメリットがありません。それに、事務所だけでなく、オファーをかけるテレビ局もそういった事情は気にするものですよね。両者が共演NGになるというよりは、オファーをかける側が忖度することで、自然に共演の機会は減っていくのではないでしょうか」

 大人気グループのメンバー同士の熱愛報道だが――今後に注目が集まる。

鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)