日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかった” あの一台をプレイバック!

今こそ復活を望みたい実用的な5ナンバーサイズの高性能セダン

■30年以上も前にモータースポーツ参戦グレードを設定

 スバルは1966年に水平対向4気筒1Lエンジンを搭載するスバル1000を発売して、1971年にはレオーネに引き継がれた。

 この後、1989年に上級車種のレガシィが発売され、レオーネの実質的な後継車種としては、1992年に初代インプレッサを投入した。

 ボディはセダンとスポーツワゴンに大別される。セダンにはスポーティなWRXも設定され、クルマ好きの間で人気を高めた。

 発売時点のWRXは、全長が4340mm、全幅は1690mmの5ナンバー車で、エンジンは水平対向4気筒2Lターボだった。

 最高出力は240馬力、最大トルクは31kg-mで、当時の3.5Lに相当する。駆動方式は4WDで、トランスミッションは5速MT専用だ。

 走りの機能を充実させながら、車両重量は1200kgと軽く、軽快な運転感覚が特徴だった。

 さらにタイプRAも用意され、ターボのインタークーラーを冷却するウォータースプレーなどを加えながら、オーディオなどを省いて30kg軽量化されていた。

 タイプRAでモータースポーツにも積極的に取り組んだ結果、WRXは今も存続して多くのファンを楽しませている。

古さを感じない機能的なインパネ

 初代インプレッサの登場は今から30年以上も前だが、機能的なインパネに設計の古さは感じない。オーソドックスだが、視認性や操作性が良い。

 水平基調のボディは、サイドウインドーの下端が低く、前後左右ともに視界が優れている。バックモニターがなくても安心して縦列駐車ができた。

前後左右の視界が優れているサイドウィンドー

 当時のインプレッサは、マド枠のないサッシレスドアで開放感があった。WRXの前席は、バケットタイプで体をしっかりホールドする。

マド枠のないサッシレスドア

 初代インプレッサは約8年間にわたり販売され、2000年に2代目に切り替わった。今では中古車の流通台数は少ない。

 初代インプレッサWRXの中古車価格は150〜300万円で極端に高くはないが、高性能車だから疲労している可能性もあり、注意して選びたい。