■第1位は、夏帆・竹内涼真『じゃあつく』がTBSの各話の歴代1位
1位 夏帆・竹内涼真『じゃあつく』堂々の『VIVANT』超え、青木柚に杏花…メインに加えサブ陣も絶賛で確実視される社会現象レベルのヒット
夏帆(34)と竹内涼真(32)がダブル主演する火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系/毎週よる10時~)の第5話が、11月4日に放送される。
10月28日放送の第4話は、日本シリーズの影響で平均世帯視聴率が4.5%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)に落ちたが、配信サービス・TVerのお気に入り登録数は140万を超えて絶好調。第3話の再生数が442万回(10月28日時点)と、『VIVANT』の第5話が記録した419万を超え、TBSの各話の歴代1位となった。
同ドラマは、谷口菜津子氏の同名ヒット漫画(ぶんか社)が原作。恋人ファーストな彼女を演じてきたゆえに、次第に自分を見失ってしまった山岸鮎美(夏帆)と、令和の時代には少し珍しい、亭主関白思考な海老原勝男(竹内)が、“料理を作る”というきっかけを通じて、当たり前と思っていたものを見つめ直し成長していく再生ロマンスコメディ。
第4話では、鮎美から「すごく好きな彼氏ができた」と伝えられた直後、勝男は太平(楽駆/28)のバーでミナト(青木柚/24)を目撃。太平と渚(サーヤ/29)がミナトを“女たらし”と言っていたのが気になり、居合わせたミナトの元カノたちに話を聞くと、ミナトは女性とすぐに付き合うがすぐに別れる“大量消費型恋愛体質”のようだ。
鮎美のことが心配でたまらない勝男だったが、会社の後輩・南川(杏花/26)から「元カレは無関係」と言われた言葉が突き刺さり、行動を起こせずにいた。 そんなこととは露知らず、鮎美はミナトとの仲を順調に深め、ついに同棲することに。ミナトのために料理を作って家で待つのだが、彼への違和感と不安が徐々に募っていき……という展開。
鮎美への想いがまっすぐな勝男も、ミナトの泥沼にハマっていく鮎美もすごいが、その周辺人物たちもいい。今回は当初、勝男を嫌っていた南川が、休日出勤したあと勝男を飲みに誘い、そこで偶然ミナトに遭遇。ミナトに鮎美をよろしくと勝男が頼む姿を見る表情の変化など、徐々に南川の勝男への感情が変化していくのが伝わってくるシーンがあった。
X上では、《良い後輩だよね。海老勝の真っすぐさが南川ちゃんを素直にしている感じすらある》《回を重ねるごとに南川の存在感が大きくなってる。飲みに誘うとこと酒屋のシーンめちゃくちゃよかったな》などと、南川への反響が大きかった。演じる杏花は、代表作と言える作品はまだないが、さばけた感じがナチュラルで、今後、出演オファーが増えそうだ。
一方、青木柚が演じるミナトも、心を込めて食事を作る鮎美(夏帆)に「外食や宅配でも大丈夫だから無理はしないで」と言ったり、バーで楽しく飲んだあと、鮎美が家に帰って自分の手料理を食べようと誘うが、元カノたちと一緒に盛り上がってしまって深夜帰宅するなど、本人は悪気なくいつも通りのふるまい。それが鮎美を追い込んでいく流れもすごい。
こちらもX上の反響が大きく、《チャラ男の役に青木柚ってキャスティング天才過ぎる。「ああいうのが実は危ない」的なルックスにズバッとハマってて素晴らしい。絵に描いたようなチャラい見た目だと、鮎美が騙されることへの説得力が欠けてしまうもんなぁ》などと称賛。こちらのストレスをぶつけられないかわいさが、鮎美の悲劇を増幅させているのだ。
前半は、会社の後輩で料理好きな勝男(竹内)の良き理解者・白崎(前原瑞樹/33)、細かいことは気にしないスカッとした性格の勝男の友達・椿(中条あやみ/28)が話題になったが、サブはメインの2人を引き立たせる重要な役どころ。白崎、椿に南川とミナトが加わったことで、物語の態勢は盤石になった。今後も『じゃあつく』の勢いは止まりそうにない。
TVerのお気に入り登録数の140万超えは、阿部サダヲ(55)主演の話題作『不適切にもほどがある!』(フジテレビ系)の139.8万を上回っており、もはや社会現象レベルのヒットと言える。「ふてほど」のように「じゃあつく」が今年の流行語になったり、お気に入り登録数でも『VIVANT』の191.8万を超えなど、今後への期待がふくらむ。(ドラマライター・ヤマカワ)
(2025年11月4日公開)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。