■ケンコバ、くっきー、フット後藤…豪華すぎる出演者、気になる“ギャラ事情”は

 鳴り物入りで始まったプラットフォームのコンテンツは、出演者も豪華だ。

『実のない話トーナメント』では、ケンドーコバヤシ(53)、野性爆弾くっきー!(49)、フットボールアワー後藤輝基(51)、メイプル超合金・カズレーザー(41)らが出演。『Money is Time』ではMCを陣内智則(51)が担当し、審査員として山田邦子(65)、黒夢の清春(57)、みちょぱ(27)が出演。『笑いの証明』『7:3トーク』では、バイきんぐ小峠英二(49)らが登場している。地上波で活躍する人気の芸人・タレントが大集結しているのだ。

 彼らの“ギャラ”について、元テレビ朝日プロデューサーで、ABEMA立ち上げ当時の番組制作にも携わった鎮目博道氏はこう分析する。

「たとえば、Netflixやアマプラのような国際的なネット配信番組の出演ギャラは地上波より高いと思いますが、ABEMAのような日本発のサービスでは、地上波より制作費が少なく、ギャラも安いのが一般的です。

 またダウンタウンプラスは吉本が運営するチャンネルなので、吉本所属の芸人は“社内価格”で出演させることができるでしょうね。出演側にとっても、今後ダウンタウンプラスが大きくなる可能性を考えれば、仮に割安でも初期から存在感を示しておくメリットはあると思います。そうしたことも考えると、出演者が豪華なのは、ひとえに吉本と松本さんが築いてきた“関係性”に依るところが大きいと思います」

 番組の企画自体にはあまりお金がかかっていないという見方もある。制作会社関係者が言う。

「現在配信済みのオリジナルコンテンツを見る限り、スタジオで収録される小規模な企画ばかりです。セットも、地上波バラエティ番組の1コーナー程度の規模。見た目の豪華さより、松本さんによる企画だという一点が売りになっているものがほとんどです」

 では、地上波ゴールデンタイムのバラエティ番組の制作費はいかほどか。前出の鎮目氏が説明する。

「テレビ局が元気な時代なら、ゴールデンプライム帯のバラエティ番組の制作予算は1時間で1000万円ほどが相場。その2倍、3倍のお金をかける番組もありました。今は下がっているとはいえ、制作費の中でもっとも割合が大きいのが出演者のギャラであることに変わりはありません。メインMCクラスであれば、1本100万円はくだらない。数百万円といったことも珍しくないでしょう。

 また、バラエティ番組は企画こそが命ですから、重要なのが放送作家です。報酬はネームバリューによってピンキリですが、大物だと1本数十万円になることも。出演者が企画面で大きな役割を果たしている場合、出演ギャラとは別に企画としてのギャラも発生します。ただ吉本の場合、社内に制作スタッフがいて、そのスタッフであれば固定費に近い形で使うことができる。つまり報酬の“上”と“下”に大きな開きがあるのが通例で、バランスを調整しながら制作費を上手くやりくりしているのでは」