■過去にも語っていた「ブラックアウト」の衝撃話

 また今回の佐世保講演では、山口氏が酒の怖さを説明する際、ブラックアウト(一時的な記憶喪失)の経験を語っていたが、これも注目を集めている。

 山口氏によると、ある朝、酒を買いに行った記憶も、飲んだ記憶もないのに、400メートル先のコンビニで紙パック焼酎を買っていて、それを飲み切った後のゴミをきれいに畳んで捨ててから寝ていたという。それはやはり、すでにかなり危ない状態だったと言えるだろうが、当時の山口氏は芸能活動が順調で、体調不良でもなかったことから「これが俺のスタイル」だと思っていたという。

 2023年11月、茨城県での山口氏の講演を聞いたという30代男性は「僕が聞いた講演では、“ブラックアウト”のさらに恐ろしい話を山口さんはしていました」と言い、こう続ける。

「その時の講演では、山口さんは“ブラックアウト”の話をする際、20年に起こした飲酒運転での裏話をしたんです。山口さんは飲酒した状態で30分もバイクを走らせて、赤信号で停車中の乗用車と衝突したことで現行犯逮捕されたのですが、その裏側を詳細に語りました」(前同)

 事故当時、山口氏は1.5リットルもの酒を飲んでいながら、警察から「酒酔い運転」と比べると処分が軽い「酒気帯び運転」と判断された。山口氏は、その理由として 「白線の上をまっすぐ歩くことができたから」と説明。しかし本人はバイクを運転している時点でブラックアウトしていて記憶が全くなく、「気がついたら塀の中にいた」という。

 23年11月の茨城県の講演ではこの話以外にも、“右手の焼酎をラッパ飲みしながら左手の『ボルビック』(ミネラルウォーター)で体内で割る”という明らかに異常な飲み方をしていたが、当時は「俺すげー合理的!」と思っていたことなども明かしていたという。

 そして、自分は酒が好きだと思い込んでいたが、実際には仕事のプレッシャーから「不安」に支配されて酒に逃げてしまったことを、自助グループに入ってから自覚できたとも。

 山口氏は今回の佐世保での講演では、今年で断酒して5年目になったが「私が次にお酒を飲むと、死にます。次にお酒を飲むと、誰かを殺すと思っています」とまで言い切っている。難病を患っていることも明かした山口氏の酒との戦いは、これからも続いていく。