■「短期的と中長期的」――大食いに2つのリスク
体調を崩したはらぺこツインズには、
《もう無理しないほうが良い。大食いが生きる道となってるかもしれないけど、二人が楽しくディズニー行ったり楽しくご飯食べてる動画でも大丈夫だよ。元気で居てくれる事がファンの方の願いです》
《どの動画を見ても、「この時も体調あまり良くなかったんだろうな」って思ってしまう。多分実際そうなんじゃないかな。純粋に2人のファンだから、もう大食いとかしなくても美味しそうに楽しく食べてくれるのを見せてくれたらそれでいいよ》
《いつの間にかはらぺこツインズも活動休止してたし無理してたのかなぁって心配。結構大丈夫って言い聞かせててもからだはどこかで危険信号出してるんだよね…休息一番》
といった、姉妹のことを心配する声が多数寄せられている。
一般論として、大食いが健康に良いイメージはない。食べ過ぎを諫める「腹八分目」という言葉が昔からあるほか、よく健康番組などでは血糖値の急上昇などの大食いリスクが紹介されることもあるが――医療ジャーナリスト・牧潤二氏は「一言で言えば、健康に良くないと言うのが結論ですね」と言う。短期的と中長期的、2種類の影響があると指摘し、こう解説する。
「まず短期的には、胃や消化器系に負担がかかりますし、その周辺の臓器にも影響を与えると言われています。心臓や肝臓、水分も摂取するため、腎臓などにも負担がかかります。だから、胃や腸に影響を与えるだけでなく、間接的にその他の臓器にも影響を与えるわけです」(牧氏、以下同)
中期的には――、
「怖いのは、余分なカロリーを取るから、生活習慣病のリスクが増加することです。具体的には、コレステロールやカロリーの多いものを取るわけですから、肥満や糖尿病、脂質異常症などのリスクがあります。長く大食いを続けていたら、そういう病気を発症する恐れがあるということですね」
さらに牧氏は「もう1つ、別の意味で怖いこと」として、次のように指摘する。
「大食いを続けたら、当然カロリーを大量に摂取しているわけですから、太りますよね。でも、大食いする人は意外とそんなに太っている人は少ない。そうなると、精神的な問題からくる摂食障害――つまり、めちゃくちゃ食べるけどその分を吐いてしまうこともあり、そこまで栄養を取ることなく結果的に太らない、という方がいる可能性もあります。大食いについては、その辺のことも考えなければいけないでしょうね」
テレビでも人気コンテンツである「大食い」。はらぺこツインズの2人は楽しんでやっているのだろうが、くれぐれも体調には気をつけてほしいものだ――。
牧潤二(まき・じゅんじ)
1950年生まれ。東京経済大学経済学部卒業。82年独立し牧事務所を開設。医療ジャーナリスト・医学ジャーナリストとして活動。主な著書は『在宅医療サービス徹底活用ガイド』(PHP研究所)、『QCに学ぶ「医療の質向上活動」の実践』(医学芸術社)、『詐病』(日本評論社)ほか。所属団体は、日本医学ジャーナリスト協会、日本医史学会、日本薬学会、日本写真学会など。『現代日本執筆者大事典 第4期』(日外アソシエーツ株式会社)で現代日本の代表的執筆者1万人の中の1人として掲載された。