日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかった” あの一台をプレイバック!
電動開閉式ハードトップなど軽の枠を超えたクルマ造り
■高速道路や峠道も快適な軽自動車のスポーツカー
今は日本で新車として売られるクルマの40%近くを軽自動車が占める。全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを装着したタイプの人気が高いが、それ以外の選択肢も豊富だ。
悪路の走破力に優れたSUVのスズキジムニー、トラックやバン、ダンプカーなどもそろう。
この中でも特に個性的な軽自動車として注目されるのがダイハツコペンだ。初代コペンの発売は2002年だが、実質的なデビューは、1999年の第33回東京モーターショーであった。
コペンの一番の特徴は、2人乗りのクーペになることだ。初代モデルは丸みの強い外観が特徴で、テールランプも大きな丸型だから、ボディの前後が同じように見える。
しかもクーペの上級車種と同様、電動開閉式のハードトップが装着され、スイッチ操作で簡単に開閉できる。エンジンは660ccのターボで動力性能の不満もなく、高速道路や峠道を使う長距離ドライブも快適に楽しめた。
インパネの周辺は、軽自動車でも上質に造り込んだ。3連メーターが並んで視認性も優れ、シフトレバーの手応えも良く、運転を楽しめた。
全高が1245mmに収まるため、着座位置も低く設定されている。運転席に座ると囲まれ感があり、小さくてもスポーツカーの雰囲気が濃厚だ。
ボディは前後左右のどこを見ても個性的だ。駆動方式は前輪駆動になる。スイッチ操作によりハードトップは座席の後ろ側に格納される。
初代コペンは2012年まで販売を続けたため、中古車も相応に流通している。価格も割高ではなく、2008年以降に生産された中古車が90〜120万円前後で販売されている。