日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかった” あの一台をプレイバック!
日本ならではの個性的なクルマ造りにメルセデスベンツが20年後に追従!?
■最も背が低い4ドアと呼ばれた斬新なデザイン
トヨタカリーナは1970年に発売されたミドルサイズセダンで、1985年になると、その派生車種の初代カリーナEDを加えた。
エンジンやプラットフォームは、基本的に4代目セリカと共通だ。初代カリーナEDで注目されたのはボディスタイル。
中央のピラー(柱)がない4ドアハードトップボディで全高を1310mmに抑えた。クーペのセリカよりも15mm高い程度で、今のトヨタカローラセダンと比べれば100mm以上も低い。
当時は背の低いボディがカッコイイとされ、カリーナEDは、4ドアにすることで、クーペとは異なるフォーマルな雰囲気を表現した。天井が低いために後席は狭いが、クーペと考えれば不満はない。 エンジンは直列4気筒1.8Lのシングルカムと、動力性能の高い2Lツインカムも用意した。
この後、カリーナEDは1998年に3代目で生産を終了して、日本では背の低いクーペ風の4ドアは廃れた。ところが海外では、近年になって4ドアクーペが人気を高めた。
その先駆けは、カリーナEDの生産終了から約7年後の2005年に発売されたメルセデスベンツCLSだ。1985年に発売された初代カリーナEDは、時代を20年先取りしていた。
内装の質感は、当時のミドルサイズカーとしては高かった。ステアリングホイールの位置を前後と上下で調節できるなど機能を充実させた。
上級グレードの運転席は、8ウェイスポーツシートであった。背もたれの左右の張り出し方、ヘッドレストの前後など、各種の調節が可能だ。
L以外の全車には、リヤスポイラーが標準装着された。1985年頃は、人気の高いドレスアップ装備だった。ワイドなテールランプも特徴だ。
初代カリーナEDの生産期間は、1985年〜1989年だから、終了してから36年が経過する。中古車の流通台数も限られるが、価格は120〜160万円だ。さほど割高ではない。ただしパーツの流通量が減っているので、メンテナンスには注意が必要だ。