■日テレは国分太一と松岡昌宏・城島茂をハッキリ線引きしている――元キー局Pの見解
松岡と城島には謝罪をし、説明をしたいとした一方、国分に対しては何も言及しなかった日本テレビの今回の対応について、数々の報道、情報番組に携わってきた元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏はこう話す。
「日テレは、国分さんと、彼以外の元TOKIOをハッキリ線引きしている感じですね。日テレは、国分さんが同局にいろいろと異議を唱えたことで態度を硬化させていると感じます。今回の声明は、国分さんに対してはこれ以上、何一つ説明も妥協もせず、見限る意思をはっきり示した――そう捉えてもよいでしょう。
こうした対応には批判の声が多く寄せられていますが、これ以上国分さんに対応したところで、局としては得るものがない、と。逆に、いろいろと失いかねない――と考え、こうした“線引き”をしたと考えられます」(鎮目氏、以下同)
日本テレビは、国分へ厳しい姿勢を貫く一方で、「結局、日テレとしては、松岡さんと城島さんには説明不足による申し訳なさがあるんです」とし、こう続ける。
「松岡さんと城島さんは『鉄腕DASH』ほか多くの番組で日テレに貢献してきたわけで、局としても、今後とも良い関係を続けたいと考えられます。
それに、『鉄腕DASH』は幅広い層に好感度が高い、超強力なコンテンツ。これを終了させたくないというところもあるでしょう」
『鉄腕DASH』は、テレビ界で重視されている若年層の数字であるコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)が取れる番組。コア視聴率が高い番組は高単価のCMが入り、局として大きなCM収入が得られるのだ。
「そんな『鉄腕DASH』を続けていくためにも、松岡さんと城島さんに日テレに対する不信感を抱かれてしまうのは困ると。だから2人には最大限の謝罪や説明をすることで関係を保つことが、今後の利益につながると判断したのでしょう。
ただ、2人と国分さんは現在も密な関係にある。日テレは松岡さんと城島さんに“国分さんとは別れてやっていきませんか”というニュアンスのお願いをするのかもしれませんが……なかなか難しい話ですよね。もし、今後も2人が国分さんを庇う姿勢を続けるとしたら、日テレはまた態度を変える気もします」
今回の日本テレビの対応には、《フジテレビの二の舞になりたくなくて、急いで対処したら炎上したんでしょうね》などと、“中居氏・フジテレビ問題”の影響を指摘する声もある。今年1月に引退した中居正広氏(53)の女性トラブルが発端となって2025年初頭から勃発した大騒動だが――、
「フジテレビは事案発生時、“被害者ファースト”を怠って、被害女性の元フジテレビアナウンサーではなくてタレント側を庇うような行動をした。その結果、大量のスポンサー離れなどが起き、前代未聞の大騒動への発展した。そんな前例がある以上、日テレは被害者を守る姿勢だけは、企業として絶対に徹底してやらないと、と考えているはずです。
とはいえ、加害者側の国分さんはともかく、残る元TOKIOメンバーは無関係なので、今後も仲良くやっていきたい思いもあるはずです。『鉄腕DASH』は人気番組ですし、元TOKIOの2人は好感度も高いですから、日テレからすれば、国分さんを除く2人、松岡さんと城島さんは絶対に手放したくないんですよ」
松岡と城島は、“国分切り”対応を見せた日本テレビと今後、どう向き合っていくのだろうか――。
鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)