日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが “乗った・乗りたかった” あの一台をプレイバック!
シンプルな外観と優れた走りでヒットした日産の長い伝統を受け継ぐミドルサイズカー
■後輪駆動の採用で重量配分が優れ1.8Lターボも搭載
日産ブルーバードは、第二次世界大戦前から戦後に掛けて生産されたダットサンの流れを受け継ぐミドルサイズセダンだ。
1980年代から1990年代に販売されたブルーバードでは、6代目になる910型の人気が高かった。ブルーバードでは最後の後輪駆動で、前輪は操舵、後輪は駆動と役割を分担するから走行安定性が高い。
車内は前輪駆動に発展した7代目以降に比べて少し狭かったが、後輪駆動の採用で前後輪の重量配分もバランスが良く、楽しく運転できた。エンジンも1.8Lターボを追加して、動力性能も十分であった。
910型ブルーバードでは、シンプルな外観も人気を得た。ブルーバードは、4代目の610型と5代目の810型が豪華指向に発展して、クルマ好きの人気を下げていた。
6代目の910型ではそこが修正され、1967年に登場してヒット作になった3代目になる510型の再来ともいわれた。ボディタイプも4ドアセダン、中央のピラー(柱)がないスポーティな4ドアハードトップ、2ドアハードトップ、ワゴンと豊富で幅広いニーズに応えている。好感度の高い商品であった。
インパネは外観と同じく直線基調のデザインで、操作性が良い。ステアリングホイールの形状も、メーターの視認性に配慮している。
車内の広さをセールスポイントにする車種ではなかったが、910型はタクシーとしても多く使われ、4名乗車の実用性は十分に確保していた。
エンジンは複数のタイプを搭載していた。主力のZ型エンジンは、排出ガスのクリーン化も視野に入れ、1気筒当たり2本の点火プラグを装着した。
910型ブルーバードは、生産を終えて40年以上を経過したこともあり、中古車市場にほとんど流通していない。むしろ1967年から1973年に生産された510型のほうが人気が高く、豊富に流通している。