■ヒロミ&東野幸治に任せたくなる「2つの強み」を元キー局Pが解説
番組が打ち切りになっても、すぐにまた次の番組の仕事が入るヒロミと東野について、元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏はこう分析する。
「2つ言えることがあると思います。まず1つ目は、2人とも好感度が高く、“視聴者から嫌われていないタレント”だということ。“2人が出てるから見ない”という視聴者が少ないんです。特にヒロミさんは苦労した過去もありますし、家族とプライベートを大切にしていて、そのライフスタイルも共感を呼びやすい。
東野さんは方向性が違いますが、プロフェッショナルに徹している印象がありますし、人の話を面白おかしく引き出してくれる。少しクールでドライな司会進行は視聴者にウケますし、尊敬されるようなタレントイメージがありますよ」(鎮目氏、以下同)
2つ目は“仕事の実力”。両者は抜群のMC力と安定感を誇ると鎮目氏は言う。
「ヒロミさんも東野さんも番組を仕切らせたら右に出る者はいないぐらい安定感がありますよね。それに芸人ですから本人が面白トークができ、共演者も面白くしてくれる。加えて、コンプライアンスをしっかり守れるタレントでもありますよね。共演者のトークが変な方向にいきそうになっても察知してフォローし、正しい方向に戻してくれる技術とクレバーさを備えているんです。
任せておけば問題は起きないし面白くしてくれる。安心してスタジオを任せられますよね。スタッフにとっても手間がかからないので、楽で助かる存在なんです。2人とも華があるかと言えばそうではありませんが、その実力は間違いない。出演番組が多いのは“今のテレビ”にフィットしているからではないでしょうか。
50~60代のタレントは発言が炎上したり、スキャンダルが取り沙汰されることもあり、なかなか番組に起用されにくいのですが、ヒロミさんと東野さんにおいてはそういうことが起こる心配がない。“困ったらヒロミさん、東野さんに任さればOK”といった存在で、新番組の企画会議でもキャスティングに困ったら名前が挙がる筆頭とも言え、プロデューサーもディレクターも反対することはない、ありがたい存在なんです」
『タミ様のお告げ』をはじめ、複数の番組の終了説が取り沙汰されているヒロミと東野だが、今後も変わることなく多くのバラエティ番組にキャスティングされることになりそうだ。
鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)